高齢になると、認知の衰えと運動機能の衰えにより、十分な口腔清掃が困難になります。

特に、普段から歯間ブラシやフロスを使う習慣がなかったヒトは、歯間部にかなり汚れが溜まってしまいます。

このような状態だと、あっという間に虫歯が進行して歯が折れてしまいますし、歯周病やインプラント周囲炎を惹起することもあります。


また、デンタルプラーク(歯垢:しこう)が毛細血管に入るとアテロプラークに変化することが知られており、これが動脈硬化に端を発する高血圧や心筋梗塞、狭心症、脳梗塞を引き起こすと考えられています。

また、デンタルプラークを誤嚥して肺に取り込んでしまうと、誤嚥性肺炎を引き起こし、場合によっては死に至ることもあります。


ほとんどの歯科医は、外来での診療に従事しているため、要介護の高齢の患者さんを診る機会はあまり多くはありません。

このような自立が困難な患者さんの健康は、最も身近な存在である介助・介護している方々の双肩にかかっているといっても決して過言ではありません。


介助・介護に携わっている方々も、是非、口腔衛生の意義と方法について理解を深めていただければ幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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