顎関節症は、開口障害、顎関節雑音、顎関節痛などを主要症候とする慢性疾患疾患群です。

原因は一つではないといわれていますが、決定的な原因は歯の噛み合わせにあります。



面白いことに、歯が一本も無いヒト、すなわち総入れ歯のヒトには、顎関節症を発症するヒトがほとんど見当たりません。

上下とも総入れ歯のヒトは、入れ歯を外すと、噛もうとしても上下の歯が噛み合いません。

つまり、噛み合わせが無い状態になります。

これが、顎関節症にならない最大の理由です。

一方、総入れ歯のヒトにインプラント治療によって歯および噛み合わせを回復すると、それまで顎関節症の症状が無かったヒトでも、クリッキングなどの顎関節症状を発症することがあります。

また、矯正治療による歯の移動に伴って顎関節症を発症することがあるのは、あきらかに噛み合わせの変化によるものと考えられます。



通常、上下の歯は一日の中で平均17.5分程しか噛み合わないといわれています。

顎関節症のヒトは、上下の歯が噛んでいる時間が長いTCH(Tooth Contacting Habit、歯列接触癖)を持つ傾向にあるようです。

これには、咬合の不調和や不安定、身体的精神的なストレスなどによるブラキシズム(食いしばりや歯ぎしり)などが関わっていると考えられます。

いずれにしても、上下の歯の異常な接触(噛み合わせ)が、顎関節症を発症するトリガーになることは間違いないでしょう。

ただし、全ての顎関節症状が治療対象となるわけでもありません。

顎関節症でお悩みの方は、一度歯科医院でご相談されてみるとよいでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。



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