ほとんどの良心的な歯科医師は、なるべく患者さんの歯を抜かずに残してあげたいと思っています。

しかしながら、時には治療を施しても保存することが困難な場合もあります。

また、状態の思わしくない歯を無理をして残しても、隣の歯に悪影響を及ぼしたり、歯槽骨の吸収が著しく進んだり、あるいは菌血症になって他の組織や臓器にバクテリアが感染を起こすことは避けなければなりません。

特に、神経を取った歯は、多くのトラブルを引き起こします。

根尖病巣や歯根破折、コア(土台)の脱離、歯性上顎洞炎、パーフォレーションなどは目に見えるものに過ぎず、バクテリアが産生した強力な毒素により糖尿病や心臓病、腎臓病、肝臓病などが惹起されることもあります。


病巣感染の実に99%は、口腔の歯や扁桃の細菌感染に起因するといわれています。

歯や口腔は、それだけ全身に与える影響が大きいのです。

状態の悪い歯によって、身体はバクテリアとバクテリアが産生する毒素に常に晒されているのです。

したがって、明らかに寿命を迎えた状態の悪い歯は、なるべく早く抜歯をする決断をしたほうが、全身の健康にとってはプラスとなりましょう。

不快症状を抑えるために、長期に渡って抗生剤や鎮痛剤を飲み続けることは、健康上決して望ましくありません。

抜くことには躊躇いもあろうかと思いますが、例え一本の歯であっても、時には命を脅かしていることもあるのです。

勇気を出して前向きな決断をすることは、トータルでの健康を守る上でとても重要であると言えるでしょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。


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