フィステル(廔孔:ろうこう)とは、体内と体外をつなぐ管で、炎症が起こるとこのフィステルから膿が排出されます。

フィステルは、歯茎の内部にある病巣に原因があり、歯科では主に次のような場合に多くみられます。
●歯周病
●根尖病巣
●歯根破折・クラック


根尖病巣は、歯周ポケットが生じない、あるいは生じにくいという点で、ほかの疾患と鑑別できます。

根尖病巣の場合、歯茎の切開や抗生物質の内服を行っても、根本的な解決にはなりません。


 
虫歯による歯髄壊死から継発した根尖病巣。クラウンの付け根が虫歯になっており、歯茎にはフィステル(廔孔:ろうこう)が出来ている(矢印)。
 

 
根管治療を丁寧に行い、セラミッククラウンによる再補綴を行った。フィステルが消失しているのが分かる。
 


根尖病巣の治療の第一選択は、根管治療です。

コア(土台)がしっかり入っていて外せない場合を除き、いきなり歯根端切除を行ってはいけません。

一度歯根端切除をすると、再根管治療は非常に難しくなってしまうからです。

歯の再治療は、何度もできるものではないので、根管治療に力を入れている先生に診ていただくことをお勧めいたします。


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