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今回は、歯根破折について書きます。
歯の内部にある歯の神経は、歯の知覚(痛み)と栄養を司っています。
したがって、歯の神経を抜くと、歯は枯れ木のようにもろくなり、歯根が割れやすくなります。
歯の神経がない失活歯(しっかつし)。歯根に垂直性の破折(クラック)を生じている(矢印)。
拡大したところ。咬合力は数十kgにもおよび、神経がない歯根は脆いので割れやすくなる。歯根破折を生じた場合、抜歯は避けられない。
虫歯で痛いなど、やむを得ない理由がない限り、歯の神経はなるべく取るべきではありません。
神経を取れば、将来、歯根破折のために抜歯となる可能性は飛躍的に高まります。
抜歯となれば、さらに侵襲の大きなブリッジやインプラント等の治療が必要になります。
特に、審美目的での抜髄(ばつずい;神経をとる処置)はしない方が賢明です。
一時的にはきれいになっても、将来抜歯になり、ブリッジやインプラントでの修復が必要になることを考えると、審美性のさらなる悪化は免れません。
ご自身の歯を長く残すには、歯の神経はとても大切なのです。
安易な抜髄は、再考いただくことをお勧めいたします。