患者さんを問診すると、信じられないくらいたくさんの薬を飲んでいる方がいます。
これは、高齢の方において特に顕著で、薬の副作用のためにさらなる薬が必要といった具合で、中には10種類を超える薬を飲んでいる方もいます。
また、同じ作用の抗うつ薬を何種類も飲んでいる方も意外と多くいます。
薬を処方するのは、基本的に病気の症状を抑えるためです。
しかし、必要以上に薬を処方している場合には、他に理由が考えられなくはありません。
●薬を処方することが利益になる
現在、薬の仕入れ価格と処方価格はほとんど同じで、以前は結構あった薬価差益も、今ではあまりない。ただし、長期の服薬は、定期的な通院が必要となり、病院の大きな利益になる
●患者さんが薬を欲しがる
病院に行ったのに薬がもらえないと、患者さん自身が納得しない
●診療時間の短縮
患者さんの訴えに、処方という手段で迅速に対応することで、診療効率を上げる
いずれにしても、薬は病気を根本的に治すものではありません。
薬によって、辛い症状は一時的に緩和されますが、病気の原因を身体の奥底に閉じ込めて、病気を長期化させてしまう恐れもあります。
たくさんの薬を処方されている方は、是非一度担当の先生にご相談されてみることをお勧めいたします。