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今回は、歯科治療費の国際比較について書きます。
先進国において、日本の歯科医療の質はかなり低いといわれています。
それはなぜか?
ずばり、それは歯科治療費が安いからです。
これは、歯医者が儲かるとか儲からないとかいう簡単な話ではありません。
医療も他の産業・商業と同じように、生業として利益を上げなければ事業を存続できません。
事業として存続しえないのに、それでも良質な医療を施し続けることは可能でしょうか?
答えは明白です。
ヒトの痛みや苦悩に寄り添う「医」が、いつしか「医業」となったときから、これは宿命といえるでしょう。
歯科治療費(診療単価)の国際比較を下記します。(首相官邸ホームページより引用)
日本の歯科医療費が、先進国の中において突出して安いことがお分かりでしょう。
治療費の桁が違うのです。
これでは、アメリカ式の治療が良いとか、日本の治療がダメとかいう単純な議論は成り立ちません。
例えば、根管治療の治療費は、アメリカと日本では18.4倍の開きがあります。
アメリカ人の歯の根管治療が18倍難しいかといえば、そんなことはありません。
仮に、アメリカの根管治療専門医(エンドドンティスト)と同じ治療収入を得ようとすれば、アメリカのエンドドンティストがひとりの患者さんを治療する時間と同じ治療時間で、18人の根管治療をしなければいけないということになります。
しかし、こんなことは絶対に不可能です。
このような状況であるため、我が国の歯科治療は、他の先進諸国に比べ、質より量をこなす治療が蔓延しており、荒廃しているのです。
ゆえに、きちんとした歯科治療をお受けになりたいのであれば、それなりの治療費の負担を覚悟する必要があるでしょう。