治療は、最小の侵襲で最大の効果を発揮することが望ましいといえます。

特に、歯のような硬組織は、一度その形態を失うと二度と元には戻りません。

削った歯は、決して元には戻らないのです。

したがって、治療は極力最小限で済ませるべきです。

現在では、接着材料やダイレクトボンディングなどの技法の発達により、M.I(ミニマム・インターベンション:Minimum Intervention:最小の侵襲)という治療のコンセプトがより普及してきました。

従来の歯の治療は、虫歯を取り除くために、その何倍もの健康な歯質を削ることが必要でした。

しかし、現在ではなるべく健康な歯質を削らない治療が行われるようになってきています。


ここで重要となるのは、いか罹患部を取り残さないようにするかということです。

虫歯は、入り口が小さくても中で大きく広がっているため、小さく済ませることにこだわり過ぎると、内部に虫歯を取り残す危険があります。


医科でも、内視鏡手術などは、まさにM.Iのコンセプトそのものです。

開腹手術を行えば、術後の回復に時間がかかり、長期の入院も必要であったものが、内視鏡手術の出現により、術後の回復は目覚ましく、日帰り手術も可能になりました。

しかし、内視鏡手術と開腹手術はそれぞれに適応があり、開腹手術が妥当なのに無理に内視鏡手術を行ったために、思うような成果が得られないという事態に発展することもあります。

明らかにM.Iコンセプトに合わないケースは、それにこだわってはいけません。

あくまでも、適材適所で治療を行うことが望ましいといえます。


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