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今回は、歯科治療の保障制度について書きます。

医療全体を見渡しても、治療行為に保障がある歯科は特殊であると思います。


医療行為というものは、疾病の治癒を必ず保障するものではありません。

もちろん、すべての医師は、患者さんの苦痛や悩みを解決するために、日夜診療に励んでいます。

しかしながら、医療はすべての健康上の問題を100%解決できるものではありません。

誤解を恐れずいえば、医療に絶対はないのです。


「この治療をすれば絶対治る」とか「この治療は一生持つ」などの無責任なことは、私は決して言えません。

患者さんに希望を与える言葉と、いい加減なことをいうことは、紙一重です。


話を、治療の保障のことに戻します。

歯科治療では、健康保険でも「補綴物維持管理」という保障制度が存在しています。

これは、各歯科医院が任意で請求します。(もちろん、請求しない医院もあります)

補綴物(クラウンやブリッジなどの被せ物)を2年間保証するというもので、補綴物が何か機能的に問題をきたした場合、2年間は無償でやり替えたり、対応しなければなりません。

しかし、実際に取り合ってくれるかどうかは、歯科医師の判断に委ねられています。

問題があっても、取り合ってくれなければ、保障制度は絵に描いた餅といえます。


自由診療(自費治療、保険適応外診療)である審美治療(セラミックなどによる補綴)やインプラント治療なども、ほとんどが医院毎に保障を設けています。

最近では見かけなくなりましたが、以前は「一生保障」などを謳っている医院もありました。

その約束は、本当に実行されるのか?反故にされないのか?

若い患者さんと年配の患者さんでは、明らかに余命が違うのに?

そもそも、医院が廃院したら、経営者が変わったら、その保証はどうなるのか?

普通に考えたら、おかしいですよね。


でも、それだけ患者さんは安心を手に入れたいのです。よく理解できます。

だからこそ、その気持ちを逆手に取った実現不可能なキャッチは許しがたい。

「一生保障」「絶対治る」「絶対抜かない」など、誇大広告には気を付けていただきたいと思います。



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