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今回は、歯茎の退縮について書きます。

歯茎は、歯槽骨によって裏打ちされて(支えられて)います。

したがって、基本的に歯槽骨が溶けて無くなると、歯茎も下がります(痩せます)。

歯周病で歯槽骨が溶けた場合、溶けた歯槽骨の部分が不良肉芽(にくげ)にとってかわり、歯周ポケットになります。

歯周病になっても、すぐに歯茎が下がらないのは、炎症によって歯茎が腫れていたり、不良肉芽が存在するからです。

歯石除去(スケーリング)や歯周病の手術を行うと、歯茎の炎症が治まり、不良肉芽が除去されるので、歯茎が引き締まって歯周ポケットが無くなります。

つまりは、歯周病の歯茎が健康な状態になると、歯茎が下がることになります。


また、歯列矯正で凸凹の歯を動かしてきれいに並べると、やはり歯茎が下がります。

この歯肉退縮は、病的なものではありませんが、もともとの歯茎の厚み、歯槽骨の厚みが薄いと下がりやすい傾向があります。

10代では歯茎の退縮は起こりにくく、30代、40代と年齢が上がるにつれ、顕著に歯肉退縮が起こりやすくなります。

これは、年齢によるターンオーバー(細胞の増殖と死滅、新陳代謝)の違いによるものと考えられます。


いずれの場合でも、一度歯茎が退縮(痩せる、下がる)すると、基本的に回復することは出来ません。

唯一、FGG(free gingival graft;遊離歯肉移植術)やCTG(connective tissue graft;結合組織移植術)、歯肉弁側方移動術、歯冠側移動術などの歯肉移植や歯肉移動術などを行うことで、歯肉のボリュームを付けることは出来ます。

しかし、これらの歯肉移植を行っても、歯と歯の間(歯間乳頭部)の歯肉を回復することは至難の業です。


歯肉退縮は一度起こると治療が難しいので、予防が大事です。

歯列矯正をお受けになる場合、ある程度の歯肉退縮は、事前にご理解いただく必要があるでしょう。

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