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今回は、パーフォレーション(穿孔;根に穴を開けること)のリペアについて書きます。
パーフォレーションとは、主に根管治療時に歯の削る方向を誤って歯や歯根に穴を開けることを指します。
パーフォレーションの穴が大きい場合には、リペア(修理)して穴を塞ぐことが困難であり、抜歯の対象となります。
幸にも、穴がそれほど大きくなく、歯の痛みや歯茎の腫れ、排膿(はいのう;膿が出ること)などの症状がなければ、パーフォレーションをリペアすることが可能です。
現在、最も信頼できる材料は、MTA(Mineral Trioxide Aggregate)セメントです。
MTAセメントは、主に二酸化ケイ素、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、酸化ビスマスなどから成り、これらの混合粉末を精製水で溶いて使います。
MTAセメントは、pH12の強アルカリ性で殺菌作用があり、硬化に時間がかかるものの、硬化後は非常に硬くなります。
このMTAセメントは、パーフォレーションのリペアや、虫歯治療時の神経の露出に対する保護(直接覆髄;ちょくせつふくずい)に用いられます。
根管充填に使用する先生もいるようですが、硬化後は非常に硬くなるため、再根管治療はほぼ出来なくなります。
したがって、基本的に根管充填にMTAセメントを使用することはお勧めできません。
MTAセメントを使って根管充填する場合、それでも予後不良なら抜歯を覚悟する必要があります。
パーフォレーションリペアも同様に、MTAセメントを使用しても予後が思わしくない場合は、おそらく抜歯の適応となるでしょう。
今のところ、MTAセメントがパーフォレーションリペアの最終手段と考えて差し支えないと思います。
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