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今回は、インプラントの噛み合わせについて書きます。

現在のインプラントは純チタンで出来ており、骨と直接結合します。

一方、天然歯(自分の歯)は、歯根膜というクッションが歯根の周りを取り囲んでおり、通常噛むことで数十μm程度の沈み込みや微小な揺れを生じます。

インプラントは、前述の通り骨と直接結合するので、噛んでも沈み込みや揺れは生じません。

これは、補綴物(ほてつぶつ;被せ物)の噛み合わせを調整する際に、極めて重要なことです。


また、インプラントをする場合、長期に渡り歯が欠損している場合が多いと思います。

特に、奥歯を多数歯に渡って失うと、下顎の関節突起が咀嚼筋の働きにより顎関節の後上方に沈み込みます。

このようなとき、インプラントの上部にいきなり最終的な補綴物(被せ物)を入れると、噛み合わせが低くなりかねません。

補綴物(被せ物)の噛み合わせを調整する際は、基本的に高さを左右均等になるように調整します。

しかし、長期間歯がない状態が続くと、関節突起の後上方への沈み込みにより、適切な高さにも関わらず、被せ物が高く感じることがあります。

この判断を誤って、患者さんの噛み合わせが高いという訴えのままに噛み合わせを調整すると、噛み合わせが適切な高さよりも低くなってしまう危険があるのです。

インプラントをして噛み合わせが高く感じないのに、噛みにくい、噛み切りにくい、食べ物を磨り潰しにくい、食べ物が逃げてうまく噛めない、などという患者さんの表現は、噛み合わせが微妙に低い事例に多く見られます。

インプラントの補綴(被せ物)以外にも、多数歯のブリッジなどを入れる場合には、同様のことが起こる可能性があります。

噛み合わせに違和感を感じたら、遠慮なく担当の先生にご相談しましょう。


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