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今回は、差し歯の脱離について書きます。

近年の歯科用のセメントおよび接着剤は、合着・接着強度が非常に強くなっており、差し歯や詰め物が簡単には外れなくなっています。

しかし、治療の相談にお見えになる方の中には、取れた差し歯を付け直しても、3日くらいしかもたないと仰る方がいます。

これは、もはやセメントや接着剤の問題ではありません。

差し歯や詰め物、あるいは歯そのものに問題があることがほとんどです。

コア(歯根の中に入れる土台)の長さが短かったり、詰め物・被せ物の適合具合が緩いと、すぐ外れてしまいます。

また、歯に虫歯が残っていたり、歯根にひびが入っているような場合にも、差し歯や詰め物はすぐ外れてしまいます。


 
差し歯を付けても、3日もせずに外れてしまうことを主訴に来院。



 
脱離を繰り返す差し歯。ファイバー・コアが途中で折れており、細くて短くなっている。いくら強力な接着剤で付け直しても、直ぐに取れてしまうのは無理がない。明らかに再製作が必要な状態。



頻繁に取れるものを、再三、付け直しばかりしていると、歯そのものが弱ってダメになってしまいます。

1~2回付け直しをしても外れる場合には、根本的に、治療のやり直し、作り直しが必要です。

被せ物や差し歯などの人工物は、作り直しが出来ますが、歯そのものがダメになったら、抜くしかありません。

外れた差し歯や詰め物などを、安直に付け直しを希望することは、非常に危険です。

外れる原因をよく診査していただいた上で、対処していただくことをお勧めいたします。


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