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今回は、非抜歯矯正における歯の動きについて書きます。

非抜歯での歯列矯正の場合、基本的には歯列を側方拡大する(横に拡げること)によって、歯が並ぶスペースを作り出します。

もし、側方拡大してもスペースが足りない場合は、基本的には前歯が前に出ることで歯が並んでいきます。つまり「出っ歯」になります。

歯列矯正の目的は、単に歯を並べることではありません。きちんと歯が並び、口腔周囲の軟組織や機能との調和が非常に重要です。

特に、歯並びと口腔周囲筋との調和と噛み合わせの安定が、歯列矯正の成否を決定づけます。

すべての歯並びを非抜歯で正しく歯列矯正できるということは、現実的にはあり得ません。

勿論、なるべく患者さんのご要望に沿った治療ができないか、さまざまな角度から検証し、模索します。

インプラントを応用した歯列矯正は、その一方法となっています。



 
ブラケット装着時。写真は上顎がデーモン・クリア、下顎がデーモン3。(現在は下顎もデーモンクリアのブラケットが選択可能)
非抜歯での治療を計画しているので、ロートルク(前歯が内向きになる)のブラケットを選択した。抜歯を前提とした場合には、スタンダードトルクおよびハイトルクのブラケットを選択する。
このようなケースを床矯正で治療することは出来ない

 
 
歯列矯正開始2か月後。歯の高さがだいぶ揃い、ねじれもとれてきているのが分かる。
この時点で、前歯の強い前突感や開咬が出ているようなら、ほとんどの場合、抜歯が必要。
このケースは、非抜歯での治療を継続。

 

床矯正装置だけを使った非抜歯治療は、主に小児の咬合誘導を目的として行います。

成長発育の終了したヒトの場合、床矯正装置による歯列の側方拡大だけでは、決してきちんとした歯並びにならないので注意が必要です。

矯正装置にも適材適所がありますので、治療をお受けになる際には、事前に治療のゴールや見通しについて担当の先生と十分なカウンセリングをしておくことをお勧めいたします。


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