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今回は、奥歯のパーフォレーション(穿孔)について書きます。
奥歯の根管治療は、歯科治療の中でも頻度の高いものでありながら、治療による失敗も多く遭遇します。
特に多いのが、髄床底(ずいしょうてい;神経が入っている部屋の床にあたる部分)へのパーフォレーションです。
奥歯の根管治療が難しいのは、
●奥にあるので、よく見えず、器具が入りにくい
●口があまり開かないヒトがいる
●根管の数が3~4本と多く、治療に時間がかかる
●歯根の形が複雑で、細く、彎曲している(曲がっている)
時間の無い中での奥歯の根管治療は、上記のような理由から、失敗する可能性が高いといえます。
コア(土台)を外したところ。出血しているところがパーフォレーション(穿孔)している(矢印)。
奥歯では、このような髄床底へのパーフォレーションが多い
パーフォレーションは、抜髄(神経を取る時)と、コア(土台)の形成時、コアの撤去時に起こりやすいと思われます。
小さなパーフォレーションでは、リペアが可能ですが、大きなものでは治療が難しく、抜歯が必要になることも珍しくはありません。
根管治療は、最初に行う時が肝心です。
ご自身の歯を長く持たせるためにも、根管治療に力を入れている歯科医院での治療をお勧めいたします。