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今回は、歯列矯正用のマイクロ・インプラントの応用例をご紹介します。
マイクロ・インプラントは、直径が1.5mm程度のネジ状の非常に細いインプラントで、チタン合金でできています。
現在、主流と思われるマイクロ・インプラントは、セルフタップ式(ドリルを使わずに、ネジが骨を切りながら入っていく)なので、以前よりも安定性が良くなっています。
ドリルで骨を削ってマイクロ・インプラントを埋入すると、ドリリング時の手振れにより、インプラント形成窩(穴)がゆるくなり、早期脱落の原因になっていました。
この点は、現在ではかなり改良されています。
マイクロ・インプラントMIA(青矢印)。インプラントを固定源(アンカレッジ)にして、エラスティック・チェーン(ゴム)で上顎前歯を一塊で後方に引っ張っている(赤矢印)。
矯正治療後。上下の歯の、前後的なずれが治っているのが分かる。上下の歯は、1歯対2歯(山と谷) で噛むのが正常。これをⅠ級咬合と呼ぶ
矯正用インプラントの応用により、今まで難しかった治療も簡単に出来るようになったり、治療期間を大幅に短縮することが出来るようになってきました。
切開を伴わない場合、マイクロ・インプランの埋入による痛みや腫れは、ほとんどありません。
マイクロ・インプラントは、歯列矯正のオプションの一つとして、一般的なものになっています。
もちろん、インプラントを使うか使わないかは、患者さんの希望によります。
インプラントを使わずに、顎間エラスティック(ゴム)を使ってゆっくりと歯を動かしたり、抜歯を選択して治療することも出来ます。
あくまで、ご自身の希望を遠慮なく担当医にお伝え下さい。
それを考慮した上で、どのような治療のご提案ができるかを考えるのが、私たち歯科医師の役目でもあるのです。
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