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今回は、難治性の根尖病巣である歯根肉芽腫と歯根嚢胞(しこんのうほう)について書きます。

歯根肉芽腫と歯根嚢胞は、神経を取った歯の歯根の先端にできる、袋状の病巣のことです。

肉眼での鑑別診断は難しいといわれています。

通常の根尖病巣は、フィステル(膿の出口、婁孔;ろうこう)があっても、適切に根管治療を行なえば、2~3回の根管治療でフィステルは消え、治癒へ向かっていきます。

しかし、歯根肉芽腫や歯根嚢胞は、通常の根管治療だけでは治癒しない場合があります。

このような場合には、肉芽種や嚢胞の摘出手術を行います。


 
歯根の先端由来のフィステル(画像中央の赤い歯茎の腫れ)を認める。3年程前からフィステルの出現と消退を繰り返し、担当医に訴えるも、治療はしてもらえなかった。
根管治療を何回か行うも、フィステルがなかなか消失しない。


 
手術により、歯根肉芽腫を一塊で摘出した。場合よっては、歯根の先端も一部切り取ることもある(歯根端切除術)



根管治療を何回も行っているにも関わらず、なかなかフィステルが消えない場合は、外科的な対応が必要なことが少なくありません。

中には、抜歯が適応になるケースもあります。

難治性の根管治療は、経験豊富な歯科医師に依頼することをお勧めいたします。


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