今回は、歯科医師の権威について書きます。

権威というのは、大学病院や、教授、博士号、認定医、専門医などを指しています。
当然、これらのブランドを築いたり、資格を獲得するのは、それなりの時間と努力が必要です。研究をして論文を書いたり、休日に高額なセミナーに参加したり、資格取得のためにデータを整理しなければなりません。したがって、これら権威は、ある程度の評価はできます。

しかし、臨床(治療)の質の高さは、これらの権威の有無と必ずしも一致するわけではありません。

大学病院を例にとれば、大学は臨床(治療)をする場でありながら、研究と教育を行う機関でもあります。したがって、当然のことながら、研修のためにも治療を行っています。研修医がきちんとした治療ができるかどうかは、オーベン(指導医)の技量にかかっているともいえます。

また、出世して教授になるために重要なことは、決して治療技術の高さではありません。研究や論文の実績、人脈、派閥などがより重要な意味をもっています。まさに「白い巨塔」のようです。もちろん、非常に優れた技術と人格を備えた臨床家もいます。

専門医や認定医も、資格を取得するためにはお金と労力、場合によっては人脈(推薦)も必要です。これらの資格を持っているドクターは、それ相応の努力を払ったわけですので、一定の評価には値します。しかし、その資格の有無は、決して優れた臨床医の絶対条件ではありません。

歯の治療は、技術の優劣が治療結果を大きく左右します。したがって、技術が良いというのが、歯科医師を選ぶ際の最低条件なのだと思います。さらに、患者さんをやさしく包み込むような包容力、十分な問診や説明などを行えるコミュニケーション力、困難な治療を遂行する責任感などが必要とされていると感じます。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。