今回は、根管治療について書きます。

根管治療は、歯の神経(歯髄:しずい)をとり、根管(根っこの中の細い管)の中をファイルと呼ばれる細い針状の器具を使いきれいにするお掃除をする治療です。

この根管治療は、実に繊細で難しい治療です。その理由は、①根管が極めて細い②根管の中を直接目で見て治療ができない③特に臼歯では、根管が湾曲していることが多いなどです。

前歯の根管は、基本的に1歯につき1本で、根管の湾曲はあまりないので、難易度はそれほど高くはありません。
しかし、大臼歯では、1歯につき3~4本の根管があり、非常に複雑な形状をしています。しかも、その多くが、大なり小なり湾曲しています。


  
   弱湾曲(根管模型)      強湾曲(根管模型)

 根管治療で使用するファイルと呼ばれる器具は、先端の直径が0.06~1.4mm位の非常に細いものを使用します。

根管は、若年者では太く、年齢とともにだんだん細くなっていきます。これは、歯髄(歯の中の神経)が、年々、歯や歯根の内側に象牙質を添加・形成していくためです(2次象牙質の形成)。

したがって、一般的に根管治療は、老齢者のほうが難しくなります。

一方で、萌出したての歯は、歯根が未発達で、根尖(歯根の先端)が完成していません。歯が萌出してから、おおよそ3年くらい経つと歯根が完成するといわれています。この未完成な歯根の根管治療は、根管治療の中でも最も難しいもののひとつです。
したがって、小さい子供のうちに虫歯にしてしまわないように、十分注意しましょう。

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