今回は、サファイア・ブレードタイプ・インプラントをご紹介します。

現在の主流になっている歯科インプラントは、チタン・スクリュータイプ・インプラントです。以前は、チタンのブレードタイプ(板状のインプラント、プレート状のインプラント)も使われていましたが、現在ではほとんど使っている先生はいないと思います。

そのブレードタイプのインプラントの中で、チタン以外にサファイアでできているインプラントも存在します。サファイアは骨との結合(オッセオインテグレーション)は全くしませんが、歯肉との相性は比較的良好です。インプラントが抜けないように、インプラントの形状を複雑にし、骨の中で意図的に引っかかりを作る(穴が開いているのはこのためです)構造になっています。



骨と結合しないので、天然歯(自分の歯)との連結補綴(つなげて被せること)が絶対条件です。
私が臨床を始めたころは、すでにスクリュータイプのインプラントが普及していたので、ブレードタイプ・インプラントを設置、埋入したことはありません。現在では、その撤去が主になっています。

インプラントを手掛けていらっしゃるベテランの先生なら、十分にご理解いただけるかと思いますが、古いインプラントシステムの方が、最新のインプラントシステムよりも技術的には難しく、術者の技量の差がはっきりと結果に出ます。

現在のインプラントシステムは、非常に規格化されており、骨さえあれば非常に簡単です。術者の技量の差が、インプラント治療の成否の差にそれほど反映しないと思われます。

しかし、このブレードタイプ・インプラントは、歯槽骨に最適な深さで、しかも丁度良い幅のグルーブ(細い溝)を掘らなければなりません。そのため、非常にテクニカルエラーが起こりやすく、術者の技量と経験がものをいうシステムなのです。

それを考えると、インプラント治療の技術革新も本当に素晴らしいと思います。
歯を失い困っている多くの方が、さらに低侵襲で、しかも長期的に安定するインプラント治療を受けることができるように努めていきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。