今日は、インプラントの表面構造について書きます。

 

 

 

 現在のインプラントの主流であるチタンインプラントは、より骨と結合する(これをオッセオインテグレーションといいます)ように、表面を加工しています。

 

 

 

 チタンインプラントが出始めた当初は、表面はマシーンサーフェスというつるつるとした鏡面状でしたが、その後、骨との結合をより強固により早く起こすように研究、開発が進みました。

 

 

 そして、粗面状の表面構造や、HAコーティング(ハイドロキシアパタイトをコーティングしたもの)したものなどが次々と製品化されてきました。

 

 基本的には、表面が粗造な構造のほうが、インプラントと骨の結合する表面積が増し、より速くより強固に骨とインプラントが結合します。

 さらに、HA(ハイドロキシアパタイト)をインプラント表面にコーティングしたり、ブラスト(吹き付けること)したHAインプラントは、骨誘導能が高く、チタンインプラントよりも早く骨と結合します。

 

 

 それなら、すべてのインプラントの表面をより粗造にしたり、HA(ハイドロキシアパタイト)をコーティングしたほうが良いのではと思いますよね?

 

 

 インプラントを骨の中に入れた後、インプラント周囲の骨の吸収が全く起こらないのであれば、全くその通りです。

 

 

 しかし、実際にはインプラント周囲に炎症がおき、インプラント周囲の骨は吸収する(溶ける)ことがあります。また、明らかな炎症がなくても、インプラントの種類によっては、わずかに骨の吸収が起こります。このような場合、粗面がより粗かったり、HA(ハイドロキシアパタイト)処理してあるタイプのインプラントのほうが、表面にプラーク(バクテリアの塊)が付きやすいので、炎症が急激に進行し、骨の吸収も大きくなることを臨床的に感じています。

 

 

 

 

 現在、国内海外を合わせると、何百というインプラントの種類がありますが、本当に信頼できるインプラントメーカーは数えるほどしかないと私は考えています。インプラントは、体の中に入れ長期に使うものなので、多少高価であったとしても、実績のあるものを選択したほうが、後々の予後やメンテナンスに有利であることは間違いないでしょう。

 

 

 是非、インプラント治療を受ける時の参考にしていただきたいと思います。