スイスに来て4ヶ月。暮らしに少しずつ慣れる中で、「日本文化が好き」というヨーロッパの人たちと出会う機会が増えてきました
その前に18年住んでいたシンガポールでも、日本に関心を持つ人にはたくさん出会いました。ただ、こちらでの“好き”の表れ方は、少し違うように感じています。
シンガポールから日本までは飛行機で約7時間
距離的にも身近で、何度も訪れる人が多い印象でした。
食事や買い物を目的に、時には地方をレンタカーで巡ってリアルな日常に触れる人も少なくありません。
暮らしの延長にある「行ける国」として楽しんでくれているのだと思います。
一方、スイスから日本はおよそ14時間飛行機でかかります
決して気軽に行ける場所ではありません。
こちらで出会う人たちの多くは、歴史や武道、アニメなどへの関心から日本に憧れを抱くようです。
最近だけでも、居合道や弓道、剣道といったパフォーマンスを目にする機会があり、実際に稽古を続けている現地の人も意外と多いことに驚きました。
私のフランス語練習の友人もその一人。
剣道、居合道、柔道まで習っていて、熱心に取り組んでいます。
また、アニメをきっかけに日本語や文化を学びたいと話す若者ともよく出会います。
武道から精神面に惹かれる人、歴史研究から興味を深める人、アニメを通じて憧れる人…。
遠い国だからこそ、夢や想いを込めて向き合っている姿勢が伝わってきます。
シンガポールで感じた「身近に楽しむ日本」とはまた違い、スイスでは「遠いからこそ強い憧れ」につながっているのかもしれません。
その違いを知ることで、私自身も改めて自分の国のことをもっと学びたいと感じるようになりました
私たち自身が忘れがちな美しさや魅力を、遠いヨーロッパで思い出させてくれる出来事が増えている――そんな移住4ヶ月目です。