前回のブログでは、スイスに根付いているリサイクル文化をご紹介しました。
スイスには多くのチャリティショップがありますが、中でも有名な団体の一つがEmmaüs Vaud(エマウス・ヴォー)です。
こちらに来て以来、複数のローカルの方々からおすすめされたこの団体は、実は長い歴史を持っています。
最近、創設者に関する衝撃的なニュースを耳にしたので、自分でも少し調べてみました。 「完全な善人はいないのだな」と深く考えさせられたニュースだったので、ご紹介したいと思います。
エマウスは1949年にフランスのカトリック司祭、Abbé Pierre(アベ・ピエール)によって設立されました。彼は1912年に生まれ、2007年に亡くなっています。
彼の主な功績として、
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エマウスを設立し、貧困層やホームレスの支援と経済的自立を促進する運動を展開
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第二次世界大戦中にはナチスの迫害を受けたユダヤ人の救出と国外逃亡の支援
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貧困問題に立ち向かったカトリック司祭としてフランスで「国民的良心」と称され、シラク大統領より大十字勲章を授与 などがあります。
このような素晴らしい功績を残した彼ですが、2024年に発表された報告によれば、1970年代から2000年代にかけて複数の女性(未成年を含む)に対して性的暴行やハラスメントを行っていたということが明らかになり、少なくとも24名の証言があったそうです。
社会的弱者を救いながら、同時に女性を傷つけていたという事実。
ヨーロッパではこのニュースが大きな衝撃を与え、表の善人のイメージとのギャップが大きな波紋を呼んでいるとのことです。
なぜ彼がそんなことをしてしまったのか、本人が亡くなった今となっては理解することは難しいですが、「善人」として崇められていたために被害者たちは長い間声を上げることができなかったようです。
「善とは何か?」と、改めて深く考えさせられ、複雑な気持ちにさせられるニュースでした。