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ハッシュタグ#Karenや、#KarenGoneWildとTwitterで検索すると、ものすごい数の動画や写真が出てくる。ニューヨークにも、ロサンゼルスにもサンフランシスコにも、カレンがあらゆる場所に出没している。

 

 

カレンとは一体何者なのか?

 

 

Central Park Karen(セントラルパークのカレン)が出てきたのは5月末。 

 

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バードウォッチャーの男性がセントラルパークで犬と散歩中の女性に、犬をひもでつなぐよう注意したら女性は反論し、しまいには警察に電話をした。ちなみに、犬をひもでつなぐのはセントラルパークでのルール。

 

"I'm going to tell them there's an African-American man threatening my life."

 

ルールを守れない「カレン」を携帯で撮影し始めた男性に向かって「警察に電話をして、アフリカ系アメリカ人の男性が私を脅しています」と言うわ、と。

 

 

男性は、「どうぞお好きに」

 

 

「カレン」は本当に警察に電話をして、「ここにいるアフリカ系アメリカ人の男性に脅迫されています」と通報した。

 

 

もちろん脅迫などしておらず、ただ犬にひもを付けるように注意しただけ。(実際の動画はこちら。) むしろ警察に電話をすると言って脅迫をしたのは、この女性の方。

 

 

女性の名前はAmy Cooper。しかし、彼女は"Central Park Karen"(セントラルパークの「カレン」)という名で有名になった。カレン(英語の発音ではキャレンに近い)は1950年代から1960年代頃に女の子の名前の人気ランキングで常に上位だった名前。

 

 

平気で人種差別をして、White privilege(白人の特権)を振りかざす中年の白人女性。それが「カレン」。セントラルパークのカレンはこの動画が広がった後に会社をクビになった。

 

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こちらの「カレン」はサンフランシスコ。自宅の塀にBlack Lives Matterとチョークで書いていた男性に、「他人の家にこういうことを書くのはどうかしら?」と文句を言い、男性が「これが僕の家なら問題無いのですよね?」と言うと、「もちろんあなたの家なら問題無いけれど、ここに住んでいる人を知っているのよ。」と。結局このカレンは警察に電話をした。ここは男性の家だったので何の問題にもならなかったが、この動画がソーシャルメディアを賑わしたことで、カレンと一緒にいた旦那さんが会社をクビになった。このカレンは(本当の名前はLisa Alexander)なんと美容会社の社長で、この事件後に謝罪文を出した。

 

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南カリフォルニア、トーランスではアジア人への差別発言及び差別行為を繰り返した女性の動画がいくつも出てきた。こちらのカレンもひどい。

 

 

この国には恐ろしいほどたくさんの隠れカレンがいるはず。カレンにとって警察は強い味方。警察はマイノリティではなく、自分たちの見方をしてくれるということを知っている。カレンは少しくらい行き過ぎたことをしても、許してもらえることを知っている。

 

カレンがいる限り人種差別は終わらない。