数週間前のインタビューで、Systemic Raciscm(制度的・システム化された人種差別)に関して意見を聞かれたトランプ大統領は「無いと思いたいが、残念ながら少しある。ただ、昔とは比べものにならないほど減った」と言った。
ではその「少し」というのはどんな感じなのか。(Business Insiderの記事から)
雇用率
- 白人:53.4%
- ヒスパニック:52.8%
- 黒人:49.6%
失業率
- 白人:12.4%
- 黒人:16.8%
平均収入の差
黒人の平均年収は白人の平均年収の62%。(例えば、白人の平均年収が500万円なら、黒人の平均年収は310万円)
世帯ごとの平均年収
- 白人家庭:$70.6K(760万円)
- 黒人家庭:$41.7K(450万円)
貧困率
- 白人:8.1%
- 黒人:20.7%
大卒の割合
- 白人:35.2%
- 黒人:25.2%
持ち家率
- 白人:73.7%
- ヒスパニック:48.9%
- 黒人:44%
警察に銃殺される数(それぞれ人口100万人に対する数字)
- 黒人:30人
- ヒスパニック:22人
- 白人:12人
- その他:4人
これらの数字から見えてくる事実とは何だろうか。
肌の色が違うだけで、生まれた瞬間から黒人が白人や他の人種に比べて不利な状況に置かれる可能性が高いということ。世帯別の年収では、平均的に黒人家庭は白人家庭より4割も低く、貧困率は2.5倍。持ち家率は白人が黒人の1.6倍で、黒人が警察に銃殺される確率は白人の2.5倍。
何世代にも渡って同じ状況が続くことによって、このループから抜け出すことがより困難になる。平均収入が低ければ、物価が低く、治安が悪く、学区も悪い場所に住む確率が高くなる。大人になれば逮捕される確率も、警察に銃殺される確率も高くなる。この状況を問題視せず、根本的な改善が行われず、黒人にとって成功しにくい&生きづらい仕組みが出来ているのだ。さらにそれに個人レベルでの偏見や差別が加わる。
これがトランプの言う、「少し残っている制度的人種差別」。
ちなみにCNNのジャーナリスト、Don Lemonは、「大統領は『制度的』の意味を辞書で調べた方が良い。人種による不平等が社会の中でシステム化されているか、いないかの問題で、少しあるかないかということではない。」とコメントした。