先日書いたオクラホマ州で行われるトランプの選挙集会、6月19日開催の予定だったが、結局Juneteenth(自由の日)は避けて、翌日の20日に変更すると昨日発表があった。この混乱の中で、わざわざJuneteenth(=アメリカ全州で奴隷制度が禁止になった記念日)に、歴史的な人種暴動があった町で集会をすることはあまりにもリスクが高いと気づいたのかも知れない。まあ。どう考えてもおかしなプランだった。
それにしても、毎日色々な場所で、色々な事件が起きている。
今日はアトランタで、ハンバーガーチェーンのウェンディーズが燃えた。
*写真はNew York Postから
ドライブスルーで順番待ちをしていた車の運転手が停車したまま居眠りをしてると警察に通報があった。警察官が検査を行ったところ、アルコール濃度が基準値を超えていた。2人の警察官が運転手を逮捕するために押さえつけたところ、男性は抵抗し、警察が持っていたテーザーを奪って逃走、次の瞬間にその場で撃ち殺された。運転手は黒人、警察官は白人。
すぐに抗議が始まり、ウェンディーズは燃やされてしまった。何が善で何が悪なのか。。。
3日前、6月10日の水曜日の早朝には、ロサンゼルスから少し離れたパームデール市で、24歳の黒人男性(Robert Fuller)が木にぶらさがって死亡しているのが見つかった。警察はその場の状況から首吊り自殺だと結論付けたが、それまで何も変わった様子のなかった男性が、突然人目につく公園で首を吊って自殺をしたというのは考えられないと、家族が詳しく調査をするよう訴えた。13日の土曜日は大勢の人がデモに集まった。
アメリカの黒人にとって、木にぶら下がった死体から連想されるのは、奴隷時代のStrange Fruit(奇妙な果実=白人に殺された黒人の死体が木に吊るされている状態)。確かに調査もせずに、自殺だと結論づけるべきではない。
ちょうど1週間前、アメフトのレジェンド、Larry Fitzgerald(ラリー・フィッツジェラルド)がニューヨークタイムズのコラムで、自身の思いを語った。ジョージ・フロイドが殺害され、今回のBlack Lives Matter運動の始まりとなったミネアポリスで生まれ育ったフィッツジェラルド。「僕の中でのミネアポリスは、平和で充足感に溢れていて、家族のいる場所だったが、今は違う。」と。
以下一部を引用。
The events of the last several days have turned Minneapolis, and our nation, upside down. Injustice, death, destruction, pain, violence, protests, and riots have made it clear — we as a nation are not OK.
ここ数日の出来事はミネアポリスと、アメリカという国をひっくり返した。不平、死、破壊、苦痛、暴力、デモ、そして暴動。これらはこの国が「大丈夫ではない」ことを明らかにした。
*原文はこちら。
そう、この国はずっと大丈夫ではなかった。
フロイドの死も、Breonna Taylorの死も、大規模なデモも、暴動も、突然沸き起こったものではなく、今まで見え隠れしていた問題が、一気に浮き彫りになっただけのこと。
この状況の中、娘がBlack Lives Matterのデモに行きたいと言いだした。でも、どんな危険があるかも分からないし、コロナの心配もあるので、今日(土曜日)は一緒に手作りのサインを作って、車の中から少しだけデモのマーチを見てきた。