勸玄が裸足で

立っていた、





ん?


だめだよ、


裸足でそこ歩くと汚いよ、


普段私がそう言うと

勸玄はすぐにハイ!といい、

私のところへくる。



今日はちがった、

そこにいっぱなし、、

ん?

とは思ったものの

少しよそ見していたら

いない。



戻ったのかな?

と思って

リビングへ向かうと


リビングにはいない

階段の隅っこで

体操座りのように
うずくまっていた



あれ?

おかしい、

そんなこといつもない、


そう思い、


どうした?


と聞くと

返答がない

お腹でも痛いのか?な、

と思ったり

どうした?

と何度か聞く私

返答はない、

5歳の子の哀愁ある背中から
私はいつもと違う何かを感じて



もう一度

どうしたの?

と尋ねると






倅は





悲しいの、





と、




ママが天国へ行って
悲しいの





と、








私は
何も言えなかった










丁度一年前

麻央がベットの上で
息を引き取った時の勸玄が私の脳裏に
はっきりとフラッシュバックした

息のないママの周りを
触れたり
撫でたり
あまり意味がわからずに
ぐるぐると回っていた4歳の倅










そうか、



一年という時間が経ち

ママにもう会えないこと

はっきりとわかりだしたのだな、

と、







その姿をみて









私はそっと

その小さな背中を

包むしかできなかった、、、