1月の新橋演舞場の演目の解説、八日目
八日目の今日は、「弁天娘女男白浪」の作者・河竹黙阿弥を解説します
河北黙阿弥は幕末から明治時代を代表する歌舞伎作者で、
幕末には、名人といわれた役者・4代目市川小團次と組んで
「白浪物」とよばれる盗賊が登場する作品をたくさん書きました。
明治以降には、5代目尾上菊五郎や、
劇聖とも呼ばれた9代目市川團十郎にも作品を提供したそうで、
市川宗家とも縁の深い歌舞伎作者なんです。
音楽のように聞き心地の良いセリフや、
江戸庶民の生活をリアルに描くのがとても得意で、
当時のお客さんも大喜びだったそうです。
それもそのはず、黙阿弥は物語を書くにあたって、
「役者に親切、客に親切、座元に親切」という、
「三親切」を心掛けていたそうなんです。
つまり、役者が魅力を発揮できる物語を書けば、
お客さんは大喜びで劇場は超満員、
その結果、興行主(プロデューサー)も喜ぶという意味です。
つまり興行の成功を作者自身が支えるんだ
という強い覚悟を持って物語を書いてたんですね
そんな黙阿弥の代表作と言えば、
「三人吉三廓初買」、「天衣紛上野初花」、舞踊劇「土蜘」、
そして、一月の演目でもある「弁天娘女男白浪」です
「初春花形歌舞伎」の情報はこちら!!
皆さま、是非とも新橋演舞場に
黙阿弥の「親切」を感じに来てください笑
生誕200年です。