#767レビュー 『神曲 天国篇』ダンテ・アリギエリ | えびけんの積読・乱読、できれば精読 & ウイスキー

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死後の世界を巡る光り輝く天国篇『神曲 天国篇 (講談社学術文庫) [ ダンテ・アリギエリ ]  』について

ダンテが、1300年の復活祭(イースター)直前の金曜日から始まる地獄から、煉獄、天国を巡る見聞録の三番目、ついに光り輝く天国に

 
 

  レビュー

ダンテの旅は最終章の天国篇に入ります。

ここで、ダンテにとっての芸術の女神であり、創造の女神であるベアトリーチェが、天国の各世界を導いていきます

地獄、煉獄と導いてきたウェルギリウスはキリスト教以前の人物で洗礼を受けていないので、ローマ世界においてローマ神話をギリシア神話に接続する形で作り上げた詩人としての功績があるとはいえ、救われない存在であるため、この天国にはもう登場しません。

 

天国は以下の構造で成り立っています。

 火焔天

 第一天 月天

 第二天 水星天

 第三天 金星天

 第四天 太陽天

 第五天 火星天

 第六天 木星天

 第七天 土星天

 第八天 恒星天

 第九天 原動天

 第十天 至高天

 

と、地獄のその罰のすさまじさなどはかなり強烈に表現されますが、天国は、あまりに輝きすぎて、素晴らしすぎで、自分では語れないやら、表わすことができないやらが頻発して、そういう点では面白みに欠けるところがありますが、とにかく”白”と光る世界に、トマス・アクィナスなどが登場してきて、キリスト教におけるトマス・アクィナスの存在の大きさを知ることができ、どうにか彼の本を読んでみなければという思いを新たにすることができました。

 

 

〈書籍データ〉

『神曲 天国篇』

著 者:ダンテ・アリギエリ

訳 者:原基晶

発 行:株式会社講談社

価 格:1,480円(税別)

 2014年8月11日  第1刷発行

 講談社学術文庫2244

 
 
 
 

 

 

 

 

 

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