#537 レビュー清少納言・紫式部はどんな女性⁉『平安ガールフレンズ』 | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

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紫式部、清少納言、和泉式部ってどんな人なのか、2024年大河ドラマ『光る君へ』に向けて読む『平安ガールフレンズ 酒井 順子』のレビュー

清少納言、紫式部、和泉式部、藤原道綱母、菅原孝標女、平安ガールってどんな女性なのか

 

 

  著者の酒井順子さんについて

1966年生まれ、高校在学中より、雑誌にコラムを執筆。大学卒業後は広告会社の博報堂に勤務を経て、執筆業に専念

2003年に発表したエッセイ『負け犬の遠吠え』で。ご自身が未婚で子どもがいない30代のときに、「30歳以上、未婚、未出産」の女性を自虐的に”負け犬”と定義し、その刺激的なタイトルと裏腹に独身女性にエールを送っている内容が評価された。この”負け犬”という言葉は、2004年流行語大賞トップ10入りを果たしたそうです。

 

  本書について

2024年の大河ドラマ『光る君へ』が1月7日から始まります。その作品に登場が予想される女性たちについて、その背景や特徴を、女子高に通っていた著者がその女子高生活の友達感覚で描いた1冊です。

 

光る君へ』を楽しむ為には、やはり紫式部清少納言の理解は外せません。他にも和泉式部をはじめとして宮廷で女房として働く女性たちも登場することが考えられますので、そういった女性らの背景や特徴を知るのに役立ちます。

 

本書で挙げられる5人の女性、清少納言、紫式部、和泉式部、藤原道綱母、菅原孝標女になります。この女性たち、というよりもこの時代に女房として宮廷で働いている女性たちの名前は、父や夫の姓とその男性の役職などを組み合わせて名付けられるそうで、本名は記録として残されているわけではないそうです(摂関家などの上流貴族の女性なら本名が記録されるようです)。

 

藤原氏による摂関政治が繰り広げられる当時、藤原氏らは外戚を目指して天皇に娘を后として嫁がせて、男の子が生まれることを期待します。その后を中心とする后に仕える女房らを集めたサロンを后の父親らが形成させます。サロンも后の評価、ひいては摂関を目指す各藤藁氏の評価につながるので、和歌などの有能な女性を集めます。今回紹介される5名もそういった女性たちです。

 

●日本文学に”随筆”というジャンルをもたらしたイノベーターの陽キャの清少納言

●『源氏物語』という超長編文学作品を生み出したプライドの高い陰キャな紫式部

●今なら大炎上の不倫に生き、親王兄弟とも恋中となる和歌の名手で恋愛体質の和泉式部

●「○○君ママ」の先駆け⁉『蜻蛉日記』作者の藤原道綱母

●『源氏物語』を読みたい!平安の中二病⁉『更級日記』作者の菅原孝標女

 

褒められるとそれを書かずにはいられない”陽キャ”の清少納言に対して、漢詩の才能が男だったらよかったのにと父に嘆かせるほどの才あるも”陰キャ”で清少納言の自慢振りが鼻についてしかたのない紫式部が自らの日記で筆誅ともいえる行為をすることなど、恐らく『光る君へ』では描かれないだろうなと思われる人間性が分かります。

 

驚きなのは、和泉式部

夫がいるのに親王と恋に落ち、その親王が若くして亡くなると今度は弟の親王と恋仲になるという今なら大炎上まちがいないスリリングすぎる恋に生きる方です。

評判の美貌と和歌の才で男たちを魅了する”平安版モテクリエイター”であることが分かります。

 

エッセイを執筆され続けている著者だけあって『光る君へ』では、どんなキャラ設定となるのかを注目しながら、それぞれの女性たちや彼女らの女房の役割などを知ることのできるお手軽に楽しめる1冊です。

 

〈書籍データ〉

『平安ガールフレンズ』

著 者:酒井順子

発 行:株式会社KADOKAWA

定 価:1,500円(税別)

  2019年5月27日 初版発行

 
 
 
 

 

 

 

 

 

 
 

 

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