#322 TVアニメ『まんが日本史「関ヶ原の戦い」』 | 歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

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子どもの頃(1983~1984年)に放送されていた『まんが日本史』の「関ヶ原の合戦」について、どのように描かれていたのか、ヒストリーチャンネルで放送されていたのを見た感想。

 狸親父ぶりをみせる家康

  朝鮮出兵から関ヶ原の合戦、江戸幕府を開くまで

今回はこの徳川家康と本多正信のコンビが主役な「関ヶ原の合戦」

(『まんが日本史』の徳川家康とはかりごと好きそうな本多正信)
 
秀吉の死去に伴い第二次朝鮮出兵が終了し、日本に帰国した加藤清正とそれを迎える石田三成、ここでさっそく二人がぶつかり、豊臣子飼いの家臣たちの仲たがいがクローズアップされます。
(『まんが日本史』より、ぶつかり合う武闘派の加藤清正と文治派の石田三成)
この仲たがいを生かして天下を狙おうと考える家康と正信。
そこに立ちはだかったのが家康より年長の五大老の一人の前田利家
(『まんが日本史』より)
淀君と秀頼様をお守りすると誓い、秀吉死後の勝手な婚姻政策を推し進めた家康に対して、他の3人の大老(毛利輝元、上杉景勝、宇喜多秀家)らと諫めて、家康の専横的な振る舞いを止めることに成功します。
(『まんが日本史』より、秀頼公の行く末を案じながら亡くなる前田利家)
しかし、病には勝てずついに死去。家康にとっては最大の目の上のたんこぶがとれ、まさにチャンス到来と
そんな折に、秀吉子飼いの武闘派たちが石田三成を襲撃しようとし、三成は思い切って家康邸に逃げてきます。
(『まんが日本史』より)
家康と正信は、ここで石田三成を差し出してしまっては、秀吉子飼いの武闘派が石田三成に向けていた憎しみの炎を、今度は豊臣のためと家康に向けてきては困るので、三成を助けて、その領地の佐和山城に引退させてます。石田三成はその佐和山で家康と戦うことを決意します。
 
家康は、五大老のうちで本国に帰って上洛してこない上杉景勝に上洛を促す書状を送りますが、上杉景勝はそれに大いに怒り、家康は大義名分を得たと上杉討伐の軍勢を起こします。
(『まんが日本史』より)
というよりも本心は、それで上方を留守にすることで三成らが挙兵するに違いないとの思いからの上杉討伐でした。
 
(『まんが日本史』より)
下野国小山にて、案の定の石田三成の挙兵を知り、伏見城が落ちたことを知り、ここで世にいう「小山評定」を開き、光秀憎しの秀吉子飼いの福島正則の声などにより、秀頼様のために石田三成を討つという形で、上杉景勝の討伐はおいておいて西に陣を進め、1600年9月15日に東西両軍が激突します。
(『まんが日本史』より)
 
(『まんが日本史』より、関ヶ原の布陣図)
朝8時頃から始まり、昼になってもどちらが優勢か分からない中、そのカギを握るのが笹尾山の小早川隆景でした。隆景は三成にも、家康にも味方するというどっちちかずで悩んでいました。
光成の出陣を促すのろしに、家康からの怒りの鉄炮撃ちこみとあり、その鉄炮撃ちこみに反応して家康の東軍に味方して、勝敗を一気に決めることとなります。
 
(『まんが日本史』より、気弱な小早川秀秋)
その追い詰められて東軍に味方することを決断した小早川秀秋
 
(『まんが日本史』より)
負けた石田三成や小西行長はとらえられ、処刑されます。
 
淀姫は、石田三成が敗れ、処刑されたと知り、それでもどうにか秀頼を天下人にすると心に決め、それがのちの大坂の陣つながっていくことをにおわせて終わります。
 
特徴としては、とにかく家康が狸おやじで本心を隠しながら、秀吉子飼いの福島正則らをうまく東軍につけることなどを謀臣の本多正信とうまく進めていくことでした。
 

あと面白かった点については、関ヶ原の戦いに向かう東軍をみる民衆が、その秀吉の子飼いの臣らが、石田三成ではなく徳川家康に味方したことについて、自分の身のかわいさに勝つ側につくことを選択したやつらだという感じのセリフが出てくるところで、この放送当時にそういう評価もされていたんだということを確認できたことでした。

  同時代の世界のできごと

同時代としてはインドのムガル帝国全盛期の皇帝アクバル(第3代皇帝)の事が取り上げられていました。
(『まんが日本史』より)
(『まんが日本史』より)
 
それと、ネーデルランド(のちのオランダ)が、海上交易でジャワ島に進出し、スペイン・ポルトガルからその地位を奪っていくことが語られていました。
(『まんが日本史』より)
アニメ『まんが日本史』、1983年4月〜1984年4月に放送されていました。その当時の通説的な日本史理解を知るのにちょうどいい番組だと思います。
「まんが日本史」は1980年代前半のころの日本史の通説的な考え方を知ることのできる番組として楽しんています。
 

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