『理想的本箱 君だけのブックガイド - NHK』の定時放送9回目は「「母親が嫌いになった時に読む本」です。
母親も初めから母親ではない。その母親の大変さや母親について考える3冊
(NHKの『「母親が嫌いになった時に読む本」 - 理想的本箱 君だけのブックガイド - NHK』(C)NHK)
「母親が嫌いになった時に読む本」
ブックディレクターの幅允孝さんが選書したのは、以下の3冊です。
1冊目:『母ふたりで”かぞく”はじめました』 小野春
2冊目:『愛すべき娘たち』
よしながふみ
3冊目:『ははがうまれる』
宮地尚子
1冊目:『母ふたりで”かぞく”はじめました』小野春
(NHKの『「母親が嫌いになった時に読む本」』より1冊目(C)NHK)
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幅允孝さんによると
悩みながら日々を更新していく
エネルギーあふれる家族
と、この本のことを評されていました。
著者の小野春さんは、子育てするLGBT団体「にじいろかぞく」代表。同性カップルで実子の男の子2人と相手の子の女の子1人の3人を育てた方とのことです。
映像の帯による紹介では、その小野春さんのインタビューで、相手が連れてきた女の子に言われて、連れ子がかわいいと思えないところで、ネットで同じ思いのコミュニティを検索すると、それは同性カップルだからではなく、相手側が子どもを連れてきたときにはそういったことが起こりうることを知ったり、逆に、その娘も大きくなるにしたがって、春さんを「母」と呼んでいいのか悩んでいたことを知ります。
そんな問題は春さんのパートナーの麻さんと春さんの子ども達との間にも起こっており、ステップファミリーとして家族になっていくことの大変さや、それでも前に進んでいく姿を読むことができる1冊のようです。
2冊目:『愛すべき娘たち』よしながふみ
(NHKの『「母親が嫌いになった時に読む本」』より2冊目(C)NHK)
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本書について、幅允孝さんによると
母とは要するにひとりの不完全な女性
と評されています。
著者のよしながふみさんは、1994年デビューの漫画家で、『大奥』『きのう何食べた?』などを書かれた方。
映像の帯では、三代にわたる女性の中で、真ん中の女性が少女時代に母から受けた容姿に関することや振る舞いなどの心にグサグサ突き刺さる行いがトラウマとなり、自分が母になり娘が生まれたた同じことはしないと誓い、その娘に対して異なる接し方をするのが描かれていました。
これだけみると初代の母が悪い感じですが、本書を全部読めば、初代母には母なりの思いがあり、厳しい指摘も真ん中の二代目女性を守るためだったこと、また二代目の母も確かに初代母を反面教師にしての娘への接し方をするが、娘よりも若い元ホストと再婚するなんていう娘もびっくりな振る舞いをされたりするそうで、一筋縄ではいかないいろんな面をみることのできるマンガのようです。
3冊目:『ははがうまれる』宮地尚子
(NHKの『「母親が嫌いになった時に読む本」』より3冊目(C)NHK)
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本書について、幅允孝さんによると
母は最初から母なのではない
と評されています。
著者の宮地尚子さんは、1986年京都府立医科大学卒業の精神科医師・医学博士で、一橋大学大学院社会学研究科教授をされています。文化精神医学、医療人類学、トラウマとジェンダーを専門とされている方です。
映像の帯は、吉岡里帆さんと太田緑ロランスさんの朗読で本を味わうスタイルでの紹介でした。
本書は、筆者の宮地先生の子育てで経験したことをエッセイにしているものです。その経験を学術的な考察も加えられ、母がだんだん母になっていくその過程を考えることができるというこれから母になるそんな方にもおすすめな1冊なんだそうです。
3冊の映像の帯や3人のやりとりを見ながら、ふと母もいろいろ悩みながら自分を育てたんだよなと感謝気持ちが起こるようなそんな回でした。