歴史に遊び!歴史に悩む!えびけんの積読・乱読、そして精読

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道長、行成を通じて一条天皇に”一帝二后”を認めさせ、決行する大河ドラマ「光る君へ」 - NHK』の第2

8回「一帝二后」について

世の乱れを正すため、一条天皇の乱れを正す”一帝二后”を認めさせて、彰子を中宮に、皇后の定子は一条天皇の皇子を生んで亡くなるという転機となる第28回

第28回は、999(長保元)年~1000(長保2)年の話になります。

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より彰子、中宮となり一帝二后体制に(C)NHK)

 

第27回に安倍晴明から、一条天皇に入内させた娘の彰子を中宮に、定子を皇后にするという”一帝二后”の秘策を受け、世の中の乱れを正すためにはとその提案を飲んだ道長が、実行に移すして実現するのがこの第28回です。


(NHK大河ドラマ『光る君へ』より、彰子の中宮を認めるよう説得する行成(C)NHK)

”一帝二后”実現として、まずは一条天皇の生母である姉の東三条院詮子にお願いしますが、詮子は今一つの反応。なぜなら前回、一条天皇から決別宣言ともいえるべきものを突き付けられてしまっていたからです。続いて、一条天皇の秘書長官役の蔵人頭の行成にも一条天皇に提案をさせて飲ませようとします。最終的には行成の説得で彰子の中宮が実現することになりますが、相変わらずの一条天皇のお気持ちと道長の思いに挟まれて、行成が苦しんでいます。

 

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より、彰子に以前の言いなりの自分を重ねた一条天皇(C)NHK)

彰子が中宮になることを一条天皇が認めることで興味深かったのが、一条天皇が入内した彰子のもとにやってきて笛を吹いて聞かせるところで、彰子の自分の意思がなくて周りになすがままのその姿に、自分も生母の詮子のいいなりだった姿を重ね合わせて、それで気の毒だから許そうという心を起こしたというエピソードでした。恋愛感情はないが同情心からというところからが印象的でした。

 

”一帝二后”を実現しようとする過程で、道長がまずは行成の下で、続いて源明子の下で倒れてしまいます。ここでは、正妻の源倫子が使いの知らせでそのことを知り、源明子の高松殿に乗り込んで、正妻であることを見せつけるかのような対応をしたことは、お嬢様だった倫子がゴッドマザーとして振舞っていく強い女になっていく感じがしました。

 

もう一つのこの大河らしいエピソードとしては、病気から回復しようとしたときに道長が夢の中でみたのが、倫子でも明子でもなく、まひろであったことです。

 

そのまひろには、道長との間の女の子が生まれ、宣孝はそれも分かった上で、賢子と名付け、そして、道長にも御役の完了の報告とともに、娘誕生の報告もするという、しっかりと自分を売り込むしたたかさが描かれいるところが面白いですが、確か、そろそろ宣孝も退場が近づいているので次回当たりがそれになりそうです。

 

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より、一条天皇の中宮となった彰子(C)NHK)

ついに彰子が中宮となる儀式が公卿も勢ぞろいの中で行われます。あの朝廷の良心、うるさがたの実資すらも、この”一帝二后”を異を唱えなかったそうで、それだけ朝廷内で望まれていたことであるとともに、定子から彰子へという移り変わりを思わせるものとなっています。

 

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より、身ごもった定子と清少納言(C)NHK)

こういったやり取りが続く中、一条天皇は愛する定子に、彰子を中宮にせざる得ないことを伝えます。その皇后定子はまた身ごもります。ここで皇后定子と清少納言の二人の仲の良い交流の最後が描かれており、定子が詠んだ歌や雰囲気は、その移り変わりの中でも清少納言の存在はありがたいという思いを表わしていて、のちにこの身ごもった子を産んで亡くなることから、明るい中にも悲しみあふれるものでした。

 

(NHK大河ドラマ『光る君へ』より、亡くなった定子をみる伊周(C)NHK)

復権を願っていた伊周・隆家兄弟には非常に大きな痛手となり、伊周は道長を大いに恨みます。これが今後の呪詛事件につながっていく伏線としての描かれ方になっています。

 

皇后定子と清少納言のこの最後のやりとり部分に関連する『枕草子』を読んで、改めて振り返ってみたいと思うそんな第28回でした。


 

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