ファゴットのエチュード紹介シリーズ!
前回は上級者のエチュード「ジャンピエリ」を紹介しましたが「アマチュアには難しいよ」というご意見も頂いたので今回は初級のエチュードを紹介。
金管楽器も練習する有名なエチュード「コプラッシュ」です。
私は大学に行った時に金管の人たちがこのエチュードを練習してるのにびっくりしました。ということで金管楽器をやってる方にも推薦できるエチュードです。
○【楽譜】【トランペット教本】KOPPRASCH(コプラッシュ)60のエチュード
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トランペット版は全音から出ているようですね。
ということでコプラッシュの何が良いのか??
まず最初はやさしい。
まず変ロ長調の音階を中心にした曲。テンポもモデラートなので急がずにしっかりと練習し始めましょう。B管の金管楽器にはやりやすい調からなので尚更良いですね。
このエチュードの良さは基本的なフレーズのパターンを勉強できること。
例えば上記の第4番は音階の簡単な練習曲ですがスラーとスタッカートのバリエーションが書いてあります。これがとても良い。必ず全ての形で練習しましょう。基本は4のスラーを演奏する感覚で息を入れて1,2,3を演奏しましょう。音を切るからといって息も切らないようにしましょう。息は常に豊かに供給するイメージ。文章にすると難しいですね。
これは実際、レッスンなどで先生に習うと良いでしょう。このアーティキュレーションをそれぞれ音楽的に正確に指導できる先生はとても良い先生です。
注;アーティキュレーション(articulation)とは、音楽の演奏技法において、音の形を整え、音と音のつながりに様々な強弱や表情をつけることで旋律などを区分すること。 Wikiより
こちらは三度進行での練習。このアーティキュレーション練習はとても重要です。例えばオケやアンサンブルでバロックや古典の曲を演奏する時にその場で「このアーティキュレーションで」と指揮者などに変更させられる時が多々あります。その時に「アーティキュレーションが変わったからうまく演奏できなくなっちゃう」というのでは困りますよね。特に音大を目指す人や音大生は仕事で演奏する時のためにこの練習はしっかりしておくのが良いと思います。
このアーティキュレーションはそれぞれ個性があり、ただタンギングをするところを変えれば良いというわけではありません。それぞれ力のかかり具合や音の長さが変わります。
これを教える人はかなり少ないと思います。
かつてのウィーンフィルがなぜぴったりと音楽的に合わせられたのか?というのはこのアーティキュレーションをそれぞれメソッドとして共有していたのが大きいです。
私の師ヴェルバは
「かつてのウィーンフィルは技術レベルは今の7割程度だったがアーティキュレーションは100%合っていた。今は技術レベルは格段に上がったけどアーティキュレーションは昔の7割しか共有できていない」
と語っていたことがありました。
実際にウィーンフィルもその独特の演奏法はここ10年でかなり薄くなったと私でも感じます。昔の録音を聴くと、こんなにもアーティキュレーションが合うものかと感動する時が多々あります。
このアーティキュレーションを練習する初級エチュードはいくつかあります。これから機会がある毎に紹介していきたいと思います。
ちなみに先日ヤマハ銀座店で見たらコプラッシュ;ファゴット版は税込2100円。昔に比べて楽譜も安くなった気がします。もしご興味ある方は練習してみてくださいね。
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