ファゴッティスト♪ 蛯澤 亮 オフィシャルブログ│RyoEBISAWA♭Fagottist & Bassoonist Official Blog

10月8日はハルモニームジークvol.83です!

 

今回のテーマは

「ベートーベン、影響を与えた2人の存在」

 

ベートーベンを中心に、ハイドン、ヨーゼフ・ライヒャという2人の作曲家を取り上げます。

 

ハイドンとベートーベンの関係はご存知の方も多いと思います。

1792年、ベートーベンは故郷ボンを離れてウィーンへ向かい、そこでハイドンから作曲を学びました。

 

では、もう一人のヨーゼフ・ライヒャは?

「ライヒャ」と聞くと、木管楽器奏者なら木管五重奏曲で知られるアントン・ライヒャを思い浮かべるかもしれません。

今回演奏するのはアントンではなく、その叔父にあたるヨーゼフ・ライヒャです。

 

ヨーゼフ・ライヒャはチェロ奏者、作曲家として活躍し、1785年にはボンの宮廷楽団のコンサート・ディレクターとなりました。

そして、その宮廷楽団でヴィオラを弾いていた若い音楽家がベートーベンです。

つまりベートーベンは若い頃、ヨーゼフ・ライヒャが率いる楽団の中で実際に演奏していたことになります。

 

そんなヨーゼフ・ライヒャですが、今では名前も作品もほとんど知られていません。

今回演奏する《組曲 変ロ長調》も、演奏会で耳にする機会はほとんどない作品だと思います。

 

実は僕がこの曲を知ったのも、偶然でした。

 

以前、アカデミア・ミュージックの店舗で管楽八重奏の楽譜をあれこれ探していた時に、たまたま見つけたのがこの楽譜。

「こんな曲があるんだ」

と手に取ったことが、今回の演奏につながっています。

 

そのアカデミアも先日、店舗での営業を終了しました。

時代の流れとはいえ、お店でたくさんの楽譜を眺めながら、今まで知らなかった曲に偶然出会う。

そんな機会がなくなってしまうのは、やはり寂しいですね。

 

ネットで検索すれば、欲しい楽譜を簡単に探せる時代になりました。

でも、「探していたものを見つける」のと「探していなかったものに出会う」のは、少し違う。

 

楽譜店には、そんな偶然の出会いがありました。

 

そして考えてみると、ハルモニームジークもそんな場所でありたいと思っています。

 

モーツァルトやベートーベンといった有名な作曲家だけでなく、今ではほとんど演奏されなくなってしまった管楽八重奏の作品もたくさんあります。

 

「こんな作曲家がいたんだ」

「こんな曲があったんだ」

そんな音楽との出会いを作ることも、このシリーズを続けている理由の一つです。

 

今回のプログラムは、

J.ハイドン
《ディヴェルティメント 変ホ長調 Hob.II:41》

J.ライヒャ
《組曲 変ロ長調》

そして最後に、

L.v.ベートーベン
《八重奏曲 変ホ長調》

を演奏します。

 

ベートーベンの八重奏曲は、交響曲などで知られるようになる前、まだ若い時代に書かれた作品です。

ハイドン、ライヒャ、そしてベートーベン。

若きベートーベンを取り巻いていた音楽家たちの作品から、最後はベートーベン自身の八重奏曲へ。

 

3人の音楽を並べて聴くことで、また違ったベートーベンの姿が見えてくるのではないでしょうか。

 

そして、ハルモニームジークを続けているもう一つの理由があります。

それは、若い奏者たちに管楽八重奏を経験してもらうこと。

8人がそれぞれ一つのパートを担当し、お互いの音を聴きながら音楽を作っていく。

オーケストラとはまた違う経験があります。

音楽祭などの仕事が急に舞い込んでくるのもこの編成だったりします。

そしてモーツァルトやベートーベンをはじめ、この編成のレパートリーを実際に演奏して知ってもらうことも、このシリーズの大切な目的の一つです。

 

今回も若い奏者たちと一緒に演奏します。

演奏する人にとっても、聴く人にとっても、知らなかった音楽と出会える場所に。

 

そんなハルモニームジークをこれからも続けていきたいと思っています。

 

ぜひ会場で、8本の管楽器の響きをお楽しみください!

 

ハルモニームジーク vol.83

「ベートーベン、影響を与えた2人の存在」

10月8日(木)
ライブ&ダイニング オンリーユー
池袋駅徒歩8分

18:30開場
19:00開演

 

プログラム

J.ハイドン
ディヴェルティメント 変ホ長調 Hob.II:41

J.ライヒャ
組曲 変ロ長調

L.v.ベートーベン
八重奏曲 変ホ長調

 

出演

オーボエ:岡本雄貴、田中絵梨香
クラリネット:成瀬未涼、平野佳太
ホルン:小谷晋一、宮本結衣
ファゴット:山越のどか、蛯澤亮

 

来場
一般 4,500円/学生 3,500円
(飲み放題・食事付き)

来場予約はこちら

 

配信チケット
2,000円(ツイキャスにて2週間配信)

配信チケットはこちら

 

来場でも配信でも、ぜひお楽しみください!

9月23日、「ふぁご指とまれ!秋の発表会」を無事に終えることができました。

 

今回は20名の方が出演し、大田区民プラザの小ホールにたくさんのファゴットの音が響きました。

 

ご出演くださった皆さん、ご来場くださった皆さん、そしてピアニストの武田朋子さん、門下生を連れて参加してくれた泉田先生をはじめ、開催を支えてくださった皆さんに、心より感謝申し上げます。

 

発表会から1週間が経ちました。

 

少し時間を置いて今回の発表会を振り返ってみると、改めて「ふぁご指とまれ!」がどんな場所でありたいのかを考える機会になりました。

 

直前リハーサルの様子

 

20人、20通りの音楽

今回の出演者は、音大を目指している学生さんから、仕事をしながらファゴットを続けている方、何十年も演奏を続けている方、そして久しぶりに人前で演奏する方まで、本当にさまざまでした。

 

年齢も経験も違います。

演奏する曲も違います。

 

それぞれが抱えている目標や課題も違います。

 

それでも、本番に向けて一人ひとりが自分の課題と向き合い、それぞれの目標に向かってよく頑張っていました。

 

舞台では、練習の時にはなかった緊張もあります。

思った通りにできた人もいれば、思うように演奏できなかった人もいます。

中には、終演後に「全然思ったようにできなかった」と悔しそうに話してくれた方もいました。

 

でも、それも演奏というものだと思います。

 

むしろ、思った通りにいくことのほうが少ないのではないでしょうか。

 

練習ではできていたことが本番ではできなかったり、逆に、本番で思いがけない力を発揮できたり。

そして、上達していけばいくほど、自分に求めるものも高くなり、見えてくる壁もまた高くなっていきます。

演奏の道は、そういうことの繰り返しなのだと思います。

 

だからこそ、一度の本番の出来だけで「成功した」「失敗した」と決めるのではなく、その経験から何を感じ、何を学び、次にどうつなげていくかが大切なのだと思います。

 

アマチュアだからこそ見えるもの

今回、特に印象に残ったのは、アマチュアとしてファゴットを楽しんでいる皆さんの真剣な姿でした。

 

プロを目指している学生さんはもちろん、音楽を仕事にすることを目的としていない方も、本番に向けて悩み、練習し、少しでも良い演奏をしようと真剣に取り組んでいます。

 

その姿は、音大生が試験や演奏会に向けて練習している姿と、何ら変わらないように感じることがあります。

 

上手くできれば嬉しい。

できなければ悔しい。

もっと良くしたいと思う。

 

その一喜一憂を含めて、音楽に真摯に向き合っている。

 

私は、そういう姿を見ることに、音楽を教える側として大きな喜びを感じます。

音楽を仕事にするかどうかに関係なく、ひとつの音楽に本気で向き合う時間には、大きな価値があるのだと思います。

 

一人ひとりに違う講評を

今回の発表会では、出演者一人ひとりに対して、私と泉田先生がそれぞれ講評を書き、紙にしてお渡ししました。

 

同じ演奏を聴いても、見る人によって感じることや気づくことは違います。

私とは違う泉田先生の視点からの講評を読むことで、普段私のレッスンを受けている出演者の皆さんにも新しい発見があったのではないでしょうか。

 

今回は出演者が20名と多かったこともあり、終演後は退館時間が迫っていたため、全員に向けて改めて講評を話す時間を十分に取ることはできませんでした。

その分、終演後に個人的に話をしに来てくれた方とは、それぞれの演奏について話すことができました。

また、その後の打ち上げでも、演奏のことやこれからの目標についていろいろな話をすることができました。

 

舞台で演奏して終わりではなく、その経験について誰かと話す。

それもまた、音楽を続けていく上で大切な時間なのだと思います。

 

「コミュニティレッスン」という考え方

先日のブログで、私は「コミュニティレッスン」という言葉について書きました。

 

「ふぁご指とまれ!」では、個人レッスンを受けるだけではありません。

 

仲間のレッスンを聴く。

他の人の演奏から刺激を受ける。

リードや楽器について情報交換をする。

自分の演奏について誰かと話す。

そして、お互いの演奏を応援する。

 

そうした一つひとつが、音楽を学ぶことにつながっていると思っています。

 

今回の発表会も、そのコミュニティレッスンの延長線上にあります。

 

普段は同じ場所でレッスンを受けている仲間が、今度は舞台に立って演奏する。

その演奏を聴く。

自分も舞台に立つ。

 

終わったら、その演奏について話す。

そして、また次のレッスンへ戻っていく。

 

そんな循環ができたら、発表会は単なる「成果発表会」ではなくなります。

 

日々の学びの中に発表会があり、発表会の経験がまた日々の学びにつながっていく。

 

私は、そんな場所を「ふぁご指とまれ!」で作っていきたいと思っています。

 

音楽は一人でもできる。でも、一人では続かない。

音楽は一人でもできます。

一人で練習することもできます。

一人で楽器を吹いて、一人で音楽を楽しむこともできます。

 

でも、一人では続かないこともあります。

 

誰かに聴いてもらう。

仲間の演奏を聴く。

同じ目標を持つ人と話す。

悔しい時には悔しいと言える。

上手くいった時には、一緒に喜んでくれる人がいる。

 

そういう場所があるからこそ、また楽器を手に取ることができるのではないでしょうか。

 

「ふぁご指とまれ!」は、上手な人だけの集まりではありません。

 

音大を目指している人も。

趣味でファゴットを楽しんでいる人も。

長くファゴットを続けている人も。

しばらく楽器から離れていた人も。

 

ファゴットが好きなら、そこから参加できる場所でありたいと思っています。

 

今回の20人20色の演奏も、ここで終わりではありません。

 

それぞれの本番で感じたことや悔しさ、達成感、そして新しく見つかった課題を持って、また次の音楽へ進んでいってもらえたらと思います。

 

私自身も、皆さんと一緒に音楽を続けていきたいと思っています。

 

これからも「ふぁご指とまれ!」を、ファゴットが好きな人たちが集まり、学び、刺激を受け、お互いの音楽を応援しながら、長く音楽を続けていける場所として育てていきたいと思ってます。

 

ご出演くださった皆さん、本当にお疲れさまでした。

 

ご来場くださった皆さん、ありがとうございました。

 

また次の「ふぁご指とまれ!」でお会いしましょう。

 

毎月第4金曜日にお届けしている「ミニおしゃふぁご」。

今月はフルート、クラリネット、ファゴットによる木管三重奏でお送りします。

モーツァルトの時代、こうした木管アンサンブルはサロンや食事の席を彩る音楽として親しまれていました。

華やかでありながら親しみやすく、人々の会話や交流にそっと寄り添う音楽。

今回演奏するモーツァルトの《ディヴェルティメント》も、そんな時代の空気を感じさせてくれる作品です。

また、クンマーの三重奏曲では、フルート・クラリネット・ファゴットそれぞれの個性が活きた豊かなアンサンブルをお楽しみいただけると思います。

銀座アンクでは、お食事やお飲み物とともに気軽にクラシック音楽を楽しむことができます。

コンサートホールとはまた違った距離感で、演奏者の息遣いやアンサンブルのやり取りを間近に感じられるのも魅力のひとつです。

週末の始まりのひととき。

銀座で少しだけ日常を離れ、木管楽器の温かな響きに耳を傾けてみませんか。

今回は、モーツァルトの時代のサロン音楽を思わせるようなプログラムになっています。

ぜひお食事とともに、ゆったりとした時間をお楽しみください。

皆さまのお越しをお待ちしております。


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【ミニおしゃふぁご】

■出演

フルート 杉村美咲

クラリネット 長谷川さくら

ファゴット 蛯澤亮

■会場

銀座アンク

■ステージ

1st Stage 20:00~20:30

2nd Stage 21:30~22:00

■プログラム

モーツァルト/ディヴェルティメント

クンマー/三重奏曲

ほか