最近「演奏とは?」とか「表現とは?」みたいな話を振られる機会がなぜか多いので「おお、演奏するって面白いな!」と思ったきっかけを書いてみようかと。
そのきっかけはこれ↓
天才カルロス・クライバーのリハーサル風景。
こうもり序曲にこれだけこだわれたらいいですよねw
大抵序曲にこんな時間かけてリハできないですw
かつては字幕で見ていたけど今はドイツ語でそのまま理解できるから自分の頭も便利になりましたw
このリハを見て「あー、これが音楽を表現するってことなんだ」「音楽を形にしていくってこういうことなんだな」と感じました。
オーケストラはもちろん、吹奏楽をやっている人も個人で楽器を習っている方もぜひ見て欲しい練習風景です。
演奏をするっていうのは「出だしを合わせる」とか「音程を合わせる」とかそういうことで終わるんじゃないんです。演奏る根本は楽譜に書かれていることを音にすること。それはどんなに良い曲でもつまらない音楽にできるし、逆に魅力的な演奏にもできるんです。
とても感動した部分はこういう話の時にいつも話しています。
「ここは柔らかい発音で弾いてほしい」とバイオリンへ言っている時の例えです。
「肌に触れる時に最初に産毛を感じてから肌を触るような」
「いきなり、握手するような発音にしないで」
『産毛を感じてから肌を触るくらい柔らかい発音』
そういうことかーと衝撃を受けました。
発音一つにしたって様々な種類があり、それだけ表現の幅があるんですね。いつも同じ発音で演奏する人がいますがそれではいくら気持ちを込めても印象は変わりません。
日常の様々なことを音に変換していく事が重要という事を感じさせられました。
そしてそれを実際に音に出すために技術がある。
さらにそれを楽譜から発想できる自由な想像力と幅広い経験が必要なんだなと。
音楽はとても繊細。
根性だけではできません。でも根性論で終わってしまう人が多いとも感じます。作曲家は日常や自分の経験や思いを曲に残しています。よく「恋愛をしろ」とかって演奏家が言われるのは日常全てが音楽に繋がるから。プロでもアマチュアでもそういう視点で音楽を捉えてほしいです。
クラシックは一つのジャンルだし、バロック、クラシック、ロマンティック、それぞれの時代のスタイルでみんな表現しただけです。他のジャンルでもポップス、ロック、ジャズなどそれぞれのスタイルで表現しただけです。
音楽には人間にある様々な感情や情景、所作や感覚に到るまで多種多様な表現が詰まっています。演奏をする人間はそれをより表現できるようにしていきたいですね。
クライバーのリハを久しぶりに見ましたがやっぱり素晴らしいですね。youtubeにもありますのでぜひご覧ください。
師匠はクライバーとも何回か共演してるんだよなぁ。ニューイヤーとブラームスの二番。他のコンサートもあったのかな。オペラもあるだろうし。羨ましい。
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