* 大麻銀座商店街(かふぇ ごはん えぞりす亭)
* 北海道江別市大麻東町13-36
* URL https://oasaginza.com/
ようやく北海道らしい過ごしやすい気候になった。冷蔵庫の納豆パックが賞味期限が近いのを思い出し、昼食は和食にしようと決める。砂糖をたっぷり入れた江戸前の卵焼きを焼きながら、ふと思い出して口笛を吹いてみた。「おかあさん なあに おかあさんっていい匂い お料理している匂いでしょう 卵焼きの匂いでしょう♪」。5年前に他界した母が若いころ、よく料理しながら歌っていた。いつも、とてもとてもゆっくりしたテンポで、歌っていた。
江別の通称「2番通り」は、大麻(「おおあさ」と読む。)に入ると団地を囲むようにして緑が増え、落ち着いた都会のベッドタウンの様相をみせる。そこから通りを1本入ると裏路地のようにちっぽけな「大麻銀座商店街」があって、以前妻とここのソバ屋で石臼挽き手うちソバというのを食べた。私は、いわゆる「ローカル商店街」のたたずまいに目がないので、写真を撮りに行きたいと妻に直訴して「おむすび・カフェ むすび」にソフトクリームを食べに出かける。
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なんだか不思議と懐かしい甘みのソフトクリームを舐めながら窓の外を眺めていると、学校帰りの小学生の集団や普段着で買い物袋を下げたおばあちゃんなんかが、ひっきりなしに行き交っていて、失礼ながら、この商店街は”まだ生きている”んだと感動した。地方の限界集落でほとんどのローカル商店街がゴーストタウン化している現状、こうして地元の人たちが、たとえ通学の近道だったとしても多く行き交う通りの存在は素晴らしいと、けっこう真面目に、そう思うんだ。

