「あそび玉」(1974)は、SF短編で、人間と超能力者の戦争の後の植民星が舞台の物語です。
あそび玉(ビー玉)を動かせる、つまり、超能力を使えることに気づいた少年ティモシー・スーンが主人公です。
彼は、その能力を見せびらかしてしまい、捕まってしまいます。
そして、最終的に、両親から離され、超能力者が作った遠い星(地球)に「追放」されます。
つまり、「超能力」という異能を持った者が、「排除」、「追放」される物語です。
「精霊シリーズ」では、精霊は連帯し、人間から隠れて暮らしていましたし、有罪になっても、元通りに暮らせました。
ですが、「あそび玉」では、超能力者は同じ人間であるのに、見つかりしだい、追放されます。
つまり、「あそび玉」の方がはるかにきびしい設定になっています。
両親は、悲しみながらも、しようがないとして「追放」を受け入れます。
ここには、「排除」の論理は、親でさえ受け入れる絶対的なものであることが表現されています。
ティモシーは、「完璧なシステムの中の異質なもの」、超能力者は、「コンピューターに組み込めない思考を持つ」とされ、「排除」されます。
ですが、「地球」が超能力者の星とされることは、注目すべき点です。
つまり、「超能力」は、社会にとっては異質なものであっても、それは「地球」に象徴される自然なものとされているのです。
これは「故郷」のモチーフとして捉えることができますが、このモチーフは、「スター・レッド」では火星になり、「銀の三角」では地球のチグリス・ユーフラテスになります。
「あそび玉」の結末は、家族との分離を描き、将来への期待を描いていないことなどの点で、バッドエンド的物語となっています。
つまり、「排斥」のテーマをリアルに突き詰めた作品です。
