その日、僕は電車に乗っていました
始発の駅だったので、電車のドア近くに立って出発を待っていました
プルルルル~
と発車のベルが鳴り、ドアが閉まりかけた
その時っ
一人の青年が飛び乗ろうとしました
駆け込み乗車ですっ
その青年は、背中に大きなリュックを背負い、手にはもう一つバッグを持っていました。
青年は閉まりかけたドアを見て
「ダメだっ、間に合わないっ」
と判断したのか持っていたバッグをドアに挟みました
勿論そのまま電車は発車しないので、ドアは
ぷしゅー
と開きました。
すると青年はバッグを手にしたまま後ろに下がり、ホームに降りました。
「お、乗るのは諦めたんだね、うん、危ないもんね」
と胸を撫で下ろす恵畑。
そして再びドアが閉まろうとしたその時っ
何を思ったのか、青年はまた乗り込もうとしたのですっ
今度は青年自身は入る事ができました。
しかしっ、
今度は背中のリュックがドアに挟まったんです
青年はもがきました…。
それを見て、周りの人達もドアを開けようと手助けします(僕も)。
勿論そのまま発車はしないので、再びドアは
ぷしゅー
と開きました。
青年はなんとか乗り込む事ができ、電車はドアを閉め、無事に(?)出発する事に
しかし問題はその後ですっ
僕は、
無事に乗れたとはいえその青年が
平常心
でいられるとは思えませんっ
青年は
「発車を遅らせた人物」
であり、
その様子を目撃した人達にとったら
「二度もドアに挟まりもがいた男」
なのです
おそらく青年は恥ずかしさでいっぱいでしょう。
現に青年はドアの臭いでも嗅いでるのかと思うくらい、ドアにベタっと近づき外を見ていました。
周りの人達も、なるべくその青年を見ないようにしてました。
しかし車内アナウンスは青年にとどめを刺します。
「駆け込み乗車は大変危険ですのでお止めください」
…車内には気まずい空気がながれます
青年は、次の駅で逃げるように車内を去りました
違う号車に移ったのか、その駅が目的地だったのかはわかりませんが…
皆さんはしないと思いますが、駆け込み乗車はホントにやめましょうね
危ないというのは勿論ですが、
気まずい空気には耐えられませんっ