暑い日が続いていますから寒い話でも書いてみます。
寒いといっても懐が寒いといったたぐいの話じゃなくて
いわゆる怪談話です。
第1話「祖父母の話」
私の祖母はもう故人ですが、私がまだ子供の頃、よくカッパと火の玉の話をしてくれました。
[河童]
明治18年生まれの祖母が子供の頃、家の近所の神社をよく通ったそうです。
明治の頃ですから周囲は水田と畑があり、山から続いて鬱蒼と木が生い茂った中にある神社のそばを小川が流れているというところです。
ある日、近道して家に帰ろうとその神社を横切って歩いていると、突然「ケケケケ~」という甲高い声が響いたと思うとざぶーんと何かが川に飛び込む音がしたそうで、祖母が思わず小川に駆け寄ってのぞき込むと、何か動物のようなものが水の中を泳いで行くのが見えました。頭だけ水面すれすれに出していたその頭には皿が乗ったように真ん中だけ禿げて見えたそうで、日頃大人からあの神社は河童が出るから暗くなるまで遊んではいけないと言われていたことを思いだし、
腰を抜かしてしまったそうです。
(この河童についてはその後どうなったか聞いていませんが、私見ではたぶん当時日本の本州に多数いたカワセミの一種ではなかろうかと思います。川魚を採るために水に潜ると頭の羽毛が左右に分かれて皿のように見えたのではなかろうかと。![]()
「火の玉」
これも祖母がまだ若い頃、雨の降った後などに近所によく火の玉が出たそうです。出るのは夕方、野道を歩いていると向こうの木の陰からす~っと近寄ってきて2、3m先でゆらゆら揺れるとまたす~っと音もなく飛んで行き、ふいっと消えてしまうもので、色は淡い黄色が多く、時には青白く燃えるように光ったということです。これは当時の人々にはそれほど珍しいものではなかったようで、大人たちもあまり問題にしてなかったらしいですが、出会うとその日はお払いをして神棚と仏壇にお参りしたということですから、やはり何かの縁起をかついだものかもしれません。
(私見では、当時は火葬にせず死体をそのまま埋葬していたし、現在と違って小動物の死体などはそのまま放置されていたような時代ですから、死骸からの燐光、あるいは蛍光を発する昆虫などではなかったのかと思われます。それに日が陰ると一気に暗くなる状態なので小さな光でもよく見えたのではないでしょぅか)
「日の当たる場所」
私が小学生の頃、祖父が私によく話してくれたことがあります。
祖父は大人になってから名古屋に出てきたので子供の頃は奈良県の山奥に住んでました(山奥の村の農家出身です)。
祖父の家からさらに山奥に1里(約 4Km)ほど入った所に、こちらの山から眺めると、どんな日でもぽっかりと日が射したように見える場所があったそうです。
その場所へは深い谷を渡らなければいけないので近づくこともできない場所だけど、村の人たちも不思議な場所として敬っていたそうです。
祖父がよく口癖に「おまえが大人になったら、調べて欲しい」と言ってました。
子供の頃から本が好きだった私に期待したのでしょう。![]()
さすがに雨の日には日が射してないのだろうと聞いたら、それが曇りでも雨の日でもぽっかり丸く日が射したように見える場所だと言ってました。
それが奈良県のどのあたりなのか、また現在もそうなのかは、今となっては分からない話です。