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一歩、世界に近づくブログ

どんな国へも、まずは興味から!

言葉や食べ物やその他の文化など、
自分が直接触れた「面白い!」と思った
”外国に関わること”を、力を抜いて書いていきます。

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2010年2月13日

世界最大の市場である、チャトチャック・ウィークエンドマーケットを脱出し、バンコクの中心街に戻ってきてから、次は友人との待ち合わせをしているトンローというエリアにバスで移動(7バーツ)。

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↑トンローの歩道。盛り上がった地面に色を塗ってアートみたいになっている。日本ではなかなか見られない光景じゃないだろうか。



ここバンコクで俳優をしているその友人は、こちらではすでにCMなどにも出ている男だ。日本から裸一貫で海を渡り、タイのテレビに出ているなんて、すごいと思う。

僕は彼を、やっさんと呼んでいる。

もちろん本名を知っているが、もう10年来、そう呼んでいるので、僕にとってはアダ名で呼ぶのが自然な感じだ。


彼との出会いは少し変わっていた。

今から約10年前に、僕が中国からチベットに向かっている時、途中にあったゴルムドという町で、1人でフラリと急に現れたのが、やっさんだった。

ゴルムドは確か標高が高い町だったはずだが、そのとき彼は麦わら帽子にサンダルという、漫画『ワンピース』のルフィのような出で立ちだった。

まだ『ワンピース』が連載し始めて数年のタイミングで今ほど人気が爆発しているわけでは無かったので、意識してではなく、素で、そういう格好をしていたのだろう。

柔和な笑顔を振りまきながらもマイペースで行動する彼だったが僕らはすぐに仲良くなり、なぜか数時間後には一緒に青島ビールを飲んでいた。

やっさんとはそのゴルムドという町で別れたが、チベットから帰国し大阪駅に着いた時にまたバッタリと再会し、それからこの10年の間に、何度となく会う仲になった。



今はバンコクで俳優をやりながら、食べていくためなのかトンローの居酒屋でバイトしており、今晩は待ち合わせ場所であるその居酒屋の前に向かった。

ほどなくして現れた彼は10年前と変わらないままの笑顔で僕を歓迎してくれ、どこか、適当にそこら辺で飲むことになった。

笑顔は変わらないが、今は頭を丸坊主にしており、迫力がある。タイ語はペラペラだ。
文字も読めるらしい。この言葉や文字をモノにするなんて、やはり変わっている。そしてすごい。

まだ彼が日本にいた頃の部屋にも何度か行ったが、部屋全体にオーラが充ちていたのを思い出した。

今日は久しぶりだったのでまたいろんな話をしたが、香港で賭け事をやってとんでもなく負けた話や、大阪でコワイ人たちに思い切りからまれたりしたとかいう話が印象的だった。

「過去は大事だけど、縛られるな。今だけが勝負や」とか、「たとえばプールで潜水したり素潜りするときに、目の前のロープやタイル以外のことを考え出すと、途端に苦しくなる。あれと同じで、目の前のことだけに集中すべきや」とも言っていた。

結局、酒に酔って彼の部屋に移り、朝方まで話し込んでしまった。彼はまだ話したそうだが、ひどく眠たい。
でも、こういうのも中々面白い。
本当に会えて良かった。


少しだけ寝て、明日は、いやもう数時間後には、空港に向かわねばならない。
最後の国、ネパールが待っている。

だからやっさん、そろそろ寝かしてくれ。

続く。

2010年2月13日

バンコクには、「人間以外は、なんでも売っている」と言われる市場がある。

北のほうにあるチャトチャックマーケットがそれで、正式名称はチャトチャック ウィークエンドマーケット。名前の通り、週末しか開いていない市である。

冒頭の売り文句を以前から耳にしていた僕は好奇心が抑えられなくなり、運良く今日が土曜日だということで、行ってみることにした。

運行システムがよく分からないローカルバスに乗り(東南アジアのバスはだいたいよく分からない)、ドキドキしながら降車した目の前に広がっていたのは、まさに巨大な市場であった。

大きすぎて、全容が掴めない。

この倉庫の群れのようなものの果てはどこにあるんだろう?地元の人に混じって観光客もチラホラ来るらしく、用意されていた地図を見るとざっくりジャンル分けはされているようだ。

雰囲気は、例えるなら、そうだな…上野のアメ横の、革細工や靴や宝飾などを売っている界隈、あれのバケモノ級と言えば伝わりやすいだろうか。いや、逆に分かりにくいか…。

服、雑貨、革製品、お菓子、野菜、軍モノ、動物、時計、本、文房具、土産物、ポスター、布、仏像、骨董品、ミニチュア、靴、鞄、熱帯魚、アクセサリー…

ひとつひとつ数え上げていくのがバカらしくなるほど、本当にいろんな店がある。

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どうやら全部で店の数は15,000を超えるという。
上野のアメ横にあるのはだいたい360店くらいだから、規模でいうと、だいたい…やめとこう、考えたくもない。

ひとつ言えるのは、まともに端から見ていく人間はおそらく1人もいないだろうということだ。

普通に歩いているだけで方向感覚が無くなるが、立ち止まろうもんなら店員の餌食になりそうだ。

これは雰囲気こそ違えど、今回の旅で味わったモロッコ マラケシュのスークや、トルコのバザール以上の規模だ。東南アジアの力はハンパじゃない。

小さなヒヨコが異常に小さなカゴに入れられて売られており、写真を撮ろうとしたらすごい剣幕で怒られてしまった。

目から入ってくる情報があまりにも多いのでアタマが麻痺してきそうだ。

息も絶え絶えに市場から這い出ると、軽食やフルーツの屋台まで出ている。

これ幸いと、真っ赤なイチゴが山と盛られた露店に飛びつき、カップに詰めてくれたジューシーなイチゴを頬張る。
みずみずしくて、うまい。

人心地ついて、冷静にマーケットの方を振り返る。

また、あそこに戻って探索を繰り返すか?
自らに問いかけると、答えは「否」だった。
再度挑むと精も根も尽き果てそうだ。

風通しが良さそうな端の方の店だけ入って、日本へ持ち帰る小さなお土産を買った。
次に訪れるネパールで、今回の世界一周は最後の国となる。終わりは近づいてきているのだ。


マーケットから出て、バス乗り場まで来ても、歩道中にまたもやいろんな店が軒を連ねていた。
ここには、すごいエネルギーが満ちている。

僕のエネルギーもここに吸い取られてしまう前に、中心街に戻って落ち着こう。

夜には、ここで俳優をやっている大事な友人と会う約束があるのだ。

続く。


2010年2月12日

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マレー鉄道がバンコクに到着。
タイに帰ってきた。
ほんの数日なのに懐かしい。

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タイとマレーシアは、隣の国でありながら、そして、一晩列車に揺られていれば着くほどの距離でありながら、やはり違う国なんだなぁと感じた。

もちろん、今回は首都バンコクと島にすぎないペナン島に訪れただけなので、正確な比較なんて出来ないのは分かってはいるが、空気感というか、暮らしている人々から出る何かが違う気がする。

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↑タイの人たちが非常に大切にしている神様。


さて、中国の正月が1月ではなく2月なのはよく知られているが、ここタイも仏教国なのが関係しているのか、それともバンコクにたまたま華僑が多かったりするからなのか、例の安宿街では正月祝いをやっていた。

日本のとは随分違う、黄色とピンクの獅子舞みたいのが派手な音と共に街中を練り歩いている。
ピンクの獅子舞のそばには謎の坊さんみたいなのがウロウロしている(冒頭写真参照)。
なんなのかはよく分からないが、めでたい感じなのは伝わってくる。


カオサン通りから少し歩き、ランブトリ通りに来ると、こちらはカラフルな飾り付けが通り中に施されている。

昼間もきれいだが夜はそれらが店の明かりに照らされて、さながら七夕の短冊飾りのようにも見えてくる。

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この国は2月の夜でも暑いので、みな店先のテラス席に陣取ってビールやマンゴージュースなどを飲んで賑やかに過ごしている。

人だかりが出来ている通りがあり、覗きこんでみると、中央に三、四人の小学校高学年~中学生くらいの少年たちがおり、ダンスバトルを繰り広げていた。
どれもまだかなり若いのにダンスはなかなかのもので、1番目立っていた少年は踊りに笑いまで取り入れ、ノンバーバルで外国人たちから賞賛を浴びていた。カッコいいな!


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ちなみに、今日は素晴らしい偶然の出会いがあった。

あの、雪すさぶ極寒のハンガリーで約一か月前に知り合ったヒロ君に、バッタリ出会ったのだ。それも、次に行くネパール行きの手伝いをしてくれた旅行会社、MPツアーズの店先で。

かなり盛り上がって、今夜は彼を含めた10人くらいの知り合った人同士で食事をした。
安いつまみとビールばかりの食卓だったが、そんなの一向に誰も気にしない、笑いっぱなしの晩餐だった。

旅は何が起こるか分からない。

続く。

2010年2月10日

14時20分バタワース発の列車に乗ると、いきなり白人の酔っぱらいたちが大騒ぎしてケンカしていた。

列車という「密室」で「酔っ払い」が「ケンカ」…なんだこのメンドくさい状況は。

しかし、それだけでは無い。

・洗面所に行って手を洗おうと思ったら、日々使われているはずの蛇口から茶色い水が出てくる(なぜだ?)。

・車両の通路には大きな虫かごが6つも置いてあり、おそるおそる中を見てみると、たくさんの虫の幼虫が蠢いている(何に使うんだ?)。

・ケンカ白人とは別に、1人で怒っている白人もおり、耳を傾けてみると…いや、怒鳴っているのでわざわざ耳を傾けなくても聞こえるが…どうやら「オレは白人が嫌いなんだ!アジア人が最高だ!バンコクに着いたらオレに付いて来い!」とか言っている(誰に言ってるんだ?)。

・これらにほとほとウンザリして列車のスタッフを探すも、白いTシャツ1枚でウロウロしている男くらいしかおらず、しかもそいつが実は列車のスタッフだった。

・さらにそのスタッフ、この時間は休憩時間なのか上記のトラブルは一向に意に介さず、僕の隣のブースで寝てしまう始末。


こ、この車両で一晩過ごすのか…⁉︎
頼むから夜は静かにしてくれよ、白人さんも、虫さんも、スタッフも。

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結局、僕の心配は杞憂に終わった。 

車窓からのんびりとした景色を眺めながら、缶の「ミロ」などを飲んで列車の揺れに身を任せているうちに、来た時と同じようにウトウトしてきた。

明日からはまた、喧騒のバンコクで2、3日過ごす。懐かしい友人と会うのだ。

それでは、おやすみなさい。

続く。



2010年2月9日

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マレーシア、ペナン島の最初の朝食は、4リンギットの定食にした。
鶏のダシがよく効いたスープと、おそらくそれで炊いたごはん、そして、骨付き鶏。まさに鶏尽くし。想像以上に旨い。これで約120円とは、誠に恐れ入る。

この島で最も栄えており、僕も宿泊しているジョージタウンというエリアは昨日のブログに書いたとおりの摩訶不思議な界隈で、歩いているだけでも楽しいのだが、せっかく島に来ているので、ビーチに行ってみることにした。

バトゥ フェリンギというその場所までバスに揺られて到着するも、観光客や海水浴を楽しもうとする人どころか、地元の人すら居ない。閑散とはまさにこのこと、閑古鳥が鳴いている。

目の前の海を眺め、そばにいたネコを抱っこしたら、もうやることが無くなってしまったので戻ることにした。


昼飯も食堂で食べた。マレーシアの料理はタイのそれに比べて味が若干薄いが、量はかなり多い気がする。

また、この時の会計でも感じたが、ここの地元の人々は通貨リンギットのことを何故かドルと呼ぶ。真意は分からないが、外国人相手にはドルで伝えてみて、もしそのまま本当に観光客がドルで支払ったらもうけもの、とでも考えているのだろうか?そんな人いるのかな…

宿があるジョージタウンのチュリア通りはバックパッカーが集まるエリアらしく、たまに白人さんも見かける。皆ヒマそうにトボトボ歩いているが、見るべき場所が全然無いわけではない。ただただ、暑いのだ。

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↑元気の無いマカオみたいな感じ?


実はここ、かつてはプリンスオブウェールズ島とカッコイイ名で呼ばれていた島で、世界遺産でもある。せっかくなので、昨日に引き続きもう少し界隈を歩いてみた。

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↑たまにはこんなオシャレな感じのカフェもある

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↑昔、日本で乗られていたと思われるバイク。
「男の子の競争」と書かれたステッカーが貼ってある。


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↑雰囲気のあるお寺に入ってみると…

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↑ご存じ、西遊記の絵があったり…

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↑「こん平で~す!」

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↑セクシーなお坊さんも。


このお寺を出た後、もう少し大きめの寺院も訪ねてみた。住職が横に付いてスミからスミまで案内してくれて、最後に彼を写真に撮ると非常に嬉しそうにしていた。

「日本に帰ったら、いま一緒に撮った写真をここに送っとくれ。わしゃ、楽しみにしとるから!」
彼はそう言って送り出してくれた。


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↑ワンタン麺。親子だろうか、息が合っている。

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↑激安なのに、かなりうまい。

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↑駄菓子屋のクジ引きのようなオデン屋。なかなか楽しい。


数ある世界の観光地の中で、目立つ方では無いけれど、ゆっくりと楽しむにはココは素敵な島だと感じます。

昨日のブログにも書いたマレーシア風の焼きそばを今日も購入。病みつきになる味だ。
湯気の中でシアワセを噛み締めた。

明日はまたマレー鉄道に乗ってタイに向かいます。

続く。



2010年2月8日

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タイ時間の朝8時、そしてマレーシア時間の朝9時にマレー鉄道は国境ハジャイ(ハートヤイ)に到着。

そこで一度降り、係員にパスポートを2回見せたあと、再び同じ列車に乗り込んだ。

ここまで乗って来たのと同じ車両、同じ座席だけれど、今いるこの場所から前に広がるのはマレーシア、という事になる。

ヨーロッパの列車の旅は国境を越える少し前に車掌がやって来てパスポートを回収し、降りる前に返してもらえるシステムだったけど、タイ~マレーシアのこれはこれで、国境感が味わえる。

バタワースという駅に着き、マレーシアの通貨リンギットに両替。このバタワースって駅、アルファベットだとButterworthって書くようだ。このスペル、バターの価値って意味?…たまたまかな。

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↑窓口で見つけたカレンダー。ヨコではなくタテに日付けが並んでいる。珍しいなー。


その後、バタワースの向かい側に位置するペナン島という場所に移動した。この島は伊豆七島の新島のように、ひと昔前はリゾート客で賑わっていたと聞くが、本当だろうか?全然そんな雰囲気が無いんだけど…。

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ところで、マレーシアはイスラム教だ。でも仏教徒もいるし、ヒンズー教徒だっている。それはこのペナン島も同じで、コーランが大音量で流れる中、ヒンズー教の自院を見学し、中国風の街並みを歩く。

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そんな中、たまたま見つけた古本屋を覗くと、20~30年前の日本の小説などの本が結構あった。

古いからなのか、日に焼けたからなのか、カバーの色はどの本もくすんでしまっているが、ここにある本はどれも皆、どこかの旅人と一緒に海を越え、何十年という時も越えて、今はこの棚に眠っている。なんだか妙な親近感が湧き、思わず、本の背を撫でたくなってしまう。


日中の陽射しは暑く、珍しくて買ってしまったキットカット味のアイスも食べるそばから溶けていってしまう。

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晩飯は、小さな露店のマレーシア風の味付けをした焼きそばを買って、安宿のベッドに腰掛けて食べた。
なんともロケーションは味気ないが、焼きそばの味の方はかなりのもので、思わずもう1個買いに行きたくなるほどだった。


やはり今はそれほどメジャーではない観光地なのか、時間がゆっくりと過ぎ、気持ちも落ち着いてきた。

明日はこの島をいろいろと観て回ろう。

続く。


2010年2月7日

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タイ、バンコクのホアランポーン駅から、マレーシアに向かう。

マレーシアはこれまで飛行機の乗り継ぎでコタキナバルという場所に降りたことはあるけれど、自分の足で大地を踏むのはこれが初めてのことになるだろう。

今日はこの列車に乗ったまま夜を越え、向こうに着くのは翌朝になる。
寝台車のため、車内は二段ベッドが延々と続いたような作りになっており、自分一人に割り当てられたスペースはそれなりに広い。

旅行本などを読んでいると、ひと昔前の中国やインドの夜行列車で安いグレードの席に座ると、モロ現地の人々の中で好奇の視線にさらされながら寝るに寝られず、硬い座席で、読んで字の如く座りながら夜を明かした、なんて文章を目にする。

僕はインドや中国を鉄道でまだ旅したことが無いので分からないが、今現在もそうなのだろうか。
それに比べれば、横になれるこのマレー鉄道は遥かにマシなのだろう。

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窓から外を眺めると、観光地ではないタイの素顔が見える。決して裕福とは言えなさそうな、この列車が走る線路スレスレまで建つ家々の間を抜け、黄色い列車は少しずつ南に向かう。

住宅地を抜けてしばらくすると、辺りは木ばかりの大地になった。たまに通り過ぎる民家が本当に素朴で、自分がただの「通り過ぎる人=パッセンジャー」だと改めて思う。


夜になり、景色がボンヤリしてきたころ、列車の職員の手により座席がベッドに変わっていく。
さっきまで何やら騒いでいたすぐそばの変わった旅行者も今は静かにしているようだ。

ガタンゴトンというリズムが心地よい。
いまは通勤途中ではなく旅行中なので、このリズムに任せて寝ちまえば明日にはマレーシアだ。
いまここにいる幸せを噛み締めながら、今日はそろそろ、このリズムに身を任せることにしよう。

続く。


2010年2月6日

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明日から列車でマレーシアに入るので、当日また(!)乗り遅れるような事があってはならぬと、今日は昼から列車の出発地であるホアランポーン駅に行ってみることにした。

無事に乗り場まで確認し、ホッとした所で、もういっその事、この周辺で宿を取ってしまおうと思った。

なにも、バックパッカーの聖地カオサン通りや、髪の毛を切ったサイアムスクエア周辺ばかりがバンコクではない。イスタンブールで引き継いだ、バンコクを舞台にした小説『マンゴーレイン』の主人公がこの街を縦横無尽に駆け回っていたのを思い出す。

今日の宿はヤワラート通りの「エンパイアホテル」という所にした。名前はなんだか立派でかなり高そうだが、なんてことはない、通りに面しているだけが長所と言ってもいいくらいの、薄汚れた安宿だ。

このうだるような暑さの中、足を棒にして少しでも安い宿を探し回ってみたものの、ここで倒れるのも本末転倒なのでいい加減で決めてしまった。


ヤワラート通りは、タイのチャイナタウン。

日本だと横浜や神戸に大きなチャイナタウンがあり、ニューヨークでもリトルイタリーと呼ばれる頭が混乱しそうな名前のチャイナタウンに行ったことがあるが、ここバンコクのチャイナタウンはその何処とも似ていなかった。

どこの国に似ているかと聞かれれば、それはもう「中国」と答えるほかないくらい、ここは中国だ。

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通りには漢字の看板ばかりで、タイのはずなのにタイの文字の方が小さく表示されている。

どでかい看板の下には漢方やら肉やら野菜やら薬やら、さまざまな専門店が並び、大衆食堂や、銀行、何屋か分からない店も多い。 
こんなに大きなキクラゲやフカヒレを目にしたのは久しぶりだ。  


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ぶらぶらと歩きまわり、暗くなるにつれて輝くどぎつい色の看板が異国感やレトロ感を感じさせてくれる。これはこれで、きらいじゃない。

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座ってるお客のそばスレスレを車が通るようなスリリングな食堂で晩飯を食べながら夜景(?)を堪能したあとは、これまた中国風の寺院に行ってみた。

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外も中もキンキラキンで、あぁやはりここは、中国でもありタイなんだなぁと感じた(タイのお寺はキンキラキンが多い)。

祈る対象はこれまでの国で信仰されていたキリストでもアラーでもなく仏様に変わっているが、そこに向き合う祈る人たちはやはり敬虔で、その背中には感じるものがあった。

今回の世界一周には中国は予定に組んでいないが、こうした形で味わうことができて良かったなと思う。

明日から向かうマレーシアは、またいろんな文化が溶け合った、素晴らしい国らしい。楽しみだ。

続く。


2010年2月5日


憧れの地、カトマンズへ行くための解決策は、意外な形でやってきた。

(詳細はタイ①②③をご覧ください)

朝、カオサンロードの例の旅行会社に行く前に、
念のため、今回の世界一周航空券を発行してくれた「世界一周堂」にケータイからメールで問い合わせてみたのだ。

すると、「本来乗るはずだったのに乗り過ごしてしまったチケットという事であれば、まずは航空会社のオフィスに言ってみて、日時変更の交渉をすれば、もしかしたら手数料のみでチケットの再発行をしてくれるかも」とのアドバイスを得た。


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なんだ、それは…。

そんなことが可能なのか?

これまで飛行機に乗り忘れたことなど無かったので、そんなこと考えたことすら無かった。


よし、じゃあそれをしてみよう。

もしそれが可能なら、わざわざ新しいチケットを代理店で購入する必要がなくなり、最高の解決だ。



タイ航空のオフィスは事前に調べてあったのだが、少々歩いて行くには遠い。


だからタクシーで向かおうとしたところ、急にトゥクトゥク(簡易なタクシーみたいな乗り物)のおやじが客引きにやってきた。なかなか強引な登場だった。


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「おいあんた、どこまで行きたいんだ?」
「シーロム通りだよ。」
「シーロムのどこだ?」
「タイ航空のオフィス。」
「シーロムは遠い。タイ航空のオフィスなら、ここからシーロムより近いランルアン通りにある。さあ、このトゥクトゥクに乗れ。さあ!」
「あ…そうなんだ。そんなに近いのなら、ランルアン通りまで歩いて行くよ。ありがと!」
「ふん」

重要な情報をありがとう、おやじよ。 


こうして、無事タイ航空のオフィスにて、チケットの再発行が出来た。
しかも、手数料は取られなかった。
しかもなんと、ウォーターサーバーまであって、ミイラのようになっていた心と身体に潤いが行き渡った。



復活!!



さあこれからは、カトマンズへ出発する14日までどう過ごすかを考える時間だ。

なぜ、明日にでもすぐにカトマンズへ向かわないのか?


実は、タイで俳優をやっている友人と13日に会う約束ができたからだ。本来ならばタイ→ネパール→タイで友人と会う、という流れで考えていたが、先ほど再発行したタイからネパール行きの航空券の出発日は14日。上記の順序が狂ってしまった。


マックでやたらと甘いカフェオレを飲みながら考えた。このポッカリ空いた数日をどうしようか。

よし、決めた。



その後、マックで立てた作戦が現実的かどうかを、昨日も訪れたカオサンロードの「MPツアー」に聞きに行き、それを実現するための手配もついでにお願いした。


このMPツアーという旅行会社は、小さな質問も丁寧に教えてくれるので非常に助かる。


実は、7年前も僕はここでカンボジアのアンコールワット行きの手配をお願いした事がある。あの時はまだそれほど海外旅行に慣れてなくて、タイから陸路で国境を越えカンボジアに入れるという内容に、魂が震えたのを覚えている。


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↑MPツアー入り口。


今回もまたお世話になったので、社長にそのお礼を言うと、とてもニコニコしてくれて、美味しいプーパッポンカリー(カニのカレー)のお店も教えてもらえた。


それで、結局、明日から何をするのか。

鉄道に乗って、マレーシアに行くことに決めました。

そして、12日までにまたバンコクへ戻ってくる。



さて、明日の手配も済ませたので、晩飯を食べることにしよう。それはやはり、さっき教えてもらったプーパッポンカリーが食べたい。


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このカレー、皆さん食べたことありますか?
日本人が特に好きな味らしく、僕も例に漏れず大好きなんです。日本のタイ料理屋にもあるので、ぜひ試してみて下さい。

このカレーが食べられる、カオサン周辺で美味しいと言われる店は2軒。

1軒目は299バーツ(約900円)、
2軒目は社長に教えてもらった方の店で、200バーツ(約600円)。


普段の食事は20バーツ、つまり60円くらいの麺で済ませることが多い僕にしては10倍で、こりゃまた豪勢な食事だが、これだけは外せない。


頼んだのはカレーとライスのみ。でも、うまかった!!



その後、部屋で少し休んでから向かったのはタイマッサージ屋。


このあたりの相場は歩いて見てまわった所、1時間180バーツ
だが、裏通りの見つけにくい所に160バーツの店を見つけた。


ここ、見つけにくいのにも関わらず古くからある佇まいで、しかもお客さんが地元の人っぽかったので、逆に腕が期待できると思い、この店に決定。


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↑:こんなとこでやります。キレイとはいい難いが、それとマッサージの腕とは無関係。



僕の担当はコワモテのお兄さん。
黙っているとマジで怖い顔なのだが、「ダイジョブデスカ?イタクナイ?」と日本語で聞いてきて
「とてもいいよ~」と言うと、メチャクチャいい笑顔をする。


僕は普段日本ではマッサージに行かないので、この1時間がホント新鮮な出来事の連続だった。
足だけではなく、上半身も、頭も、顔も、背中もやってくれる。


受けている間は「マッサージってのは、ここまで出来るんだ~」とか「人間が2人いれば、こういうことが出来るのか~」とか、何だかヘンに関心してしまった。


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終了後は、お茶を飲みながらスタッフと話したりして和んだ。(僕の頭に何故か”ごはんつぶ”が付いており、「お前、ゴハン食べてきたろ!」と言われてしまった)


トナリでマッサージを受けていた白人のカップルは気持ち良すぎて、明日の朝もまた来るらしい。


ちなみに今日、道を歩いていたら高校の教師をしているというおじさんが「お前、タイ人に見えるぞ」と言ってきた。


これまで韓国人、パプアニューギニア人、トルコ人に間違われたことはあったけど、タイ人は初めてです。ご先祖様、僕は何者なのでしょうか。


明日1日バンコクで過ごし、明後日からマレーシアに向かいます。


続く。


2010年2月4日


昨日の夜は悩み続け、寝たのは深夜。

(詳細はタイ①②をご覧ください)


今朝は起きたのが遅くなってしまったが、動かなければ始まらない。

カオサンロード沿いにある旅行会社、「A&Rトラベル」に行き、バンコク~カトマンズ間のフライトチケットを見積もってもらうも、出てきたのは「タイ航空」で片道約45,000円…。


たった一日前、飛行機に乗り忘れてしまっただけで、全く想定外のこの支出は大きすぎる。
しかし、ネパールは憧れの地…。行きたい。

それでは、同じルートで「タイ航空」でなく「ロイヤルネパール航空」はどうだろう?これだと24,000円くらいか。さっきよりは下がっているものの、これでも僕には大金だ。


しかも、旅行会社のスタッフは「ここ、良くない噂が結構出てますよ」と言う。

よくない噂?

ネットで検索してみると、いや~、確かに、これはきつい。

なんと”ロイヤル”と名が付いているにも関わらず、国際線の機体がたったの2体(!)しかなく、
しかも燃料費を払えないから等の理由で頻繁にフライトを直前キャンセルしたり、機械が故障したら「これはシヴァ神(ヒンズー教の神様)が怒っている」などと解釈し、ヤギ2匹を生贄に捧げたりするような航空会社なのだ。


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そして最近、社名の”ロイヤル”自体が外れ、ただの「ネパール航空」になってしまったらしい…。
た、たしかに乗りたくないかも…。



それでは、こういう案はどうだろう?


バンコクからインドのバラナシに飛行機で飛び、
そこから陸路でネパールへ国境越えするという案。
もしくは、バラナシに着いてからバラナシ~カトマンズの飛行機の手配をする、という案は。

タイとネパールの2国だけで考えるのではなく、インドという3ヶ国目を出すという作戦だ。



バラナシはあのガンジス川がある町。
前々からいつかは行ってみたいと思っていた。
今回の旅では予定に入っていなかったが、行けたらとても嬉しいし、物価の安いインドなら格安航空券も取れるかもしれない。


だが、そうすると、今度はビザの問題が出てくる。インドに入るにはビザが必要なのだ。


ネパールのビザは向こうの国の空港に着いたらその場ですぐに取得できるらしいが、インドのビザはそういうわけにいかず、他国で取得しておく必要がある。


バンコクでインドビザを発行しようとすると、7日間待たねばならないらしい。

今日が2月4日なので、ビザ発行のために7日間待つと2月11日…。
その日はネパールのカトマンズからここバンコクに戻ってくる前日だ。(日本への帰国便はバンコク発で既に取ってある)

つまり、バラナシからカトマンズまで1日で移動する必要があるということだ。

…ダメだ。現実感がない。


つまり、時間的にインドに行けないし、もし行けたとしても何も出来ない。行く意味が無い。



だが、この状況でスタッフから朗報が。
それは、インドがこの1年間だけ、インド国内の4大都市に限ってその空港で30日間のビザを発給しているというのだ。これはレアな対応だ。

で、その4大都市というのは。
デリー、チェンナイ、カルカッタ、ボンベイ。

バ、バラナシが入ってない…。
ガシャーン。ガラガラガラ。
僕の頭の中のバラナシの幻想は早くも崩れ落ちた。

でも待てよ、カルカッタに行けば、そこから7時間がんばって鉄道(!)に乗ればバラナシに着くらしい。


今日が4日で、明日カルカッタへ着いて5日、1泊すると6日、そこからバラナシに7時間で移動して7日、バラナシで3日くらい過ごすと9日、そしてバラナシから国境の街スノウリに移動して宿泊すると10日。スノウリからカトマンズが…う~~~ん、これも現実的ではない。あまりにも危ない橋だ。
インドやネパールで時間通りにコトが進むはずが無い。



そこでまた考えた。
どのみちネパールに入ると考えると、最低でも24,000円はかかる(悪い噂のロイヤルネパールを利用)。

インドのカルカッタまでが片道12,000円くらいだから、まずはカルカッタに行ってしまえば、そこでカトマンズへのフライトチケットの相場を知ることができる。


その価格が24,000-12,000で12,000円以内で収まれば、時間的にも金銭的にも安全面的にも一番現実的では無かろうか。

しかも予定外の支出ではあるものの、
予定外の国であるインドに入れる…!

よし、これで行こう!!ようやく決定!


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↑MPツアーはこの雑居ビルの奥にある。



「MPツアー」というカオサンで老舗の旅行会社にも足を運び、見積もりを出してもらったのち、
クレジットカードの手数料の関係で再び、「A&Rトラベル」へ向かった。


「決めました。カルカッタ行き、お願いします」
「カルカッタになさったんですね。ただ、実はさらに検討して欲しいことがあります。この便は、エアインディアエクスプレスという会社がやってるんですが、週に3日しか飛んでいません。一番早くて次は日曜、2月7日です。しかも席が取れるかは、今日はもう分かりません。また明日お越しください」


まじかよ…

明日、いったいどうなるのか!?


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続く。