もう764㎞も歩いて来たなんて。
とうとう、オ・ペドロウソに到着。
明日、モンテ・ド・ゴソ(歓喜の丘)に泊まり、明後日の午前中にはサンティアゴ・デ・コンポステーラにゴールする予定だ。
実は、もうここまで来たら、オ・ペドロウソにもモンテ・ド・ゴソにも泊まらず、そのまま歩き切る巡礼者も少なくない。
モンテ・ド・ゴソなんてサンティアゴ・デ・コンポステーラの5㎞しか手前じゃないので、そこから1時間くらいあれば着いてしまう距離なのだ。
たとえば、昨日アルスーアで同じ宿になった、これからパラオで農業をする予定だという日本人夫婦のタケさんとミカさんも、もう最後まで歩き切るという。同じくまたもや宿が同じになったイイダさんも、おそらく先に行ったのだろう。(それにしても昨日は同じ宿に日本人が6人も集まるという、非常に珍しい現象が起きた)
では何故、僕らは明日モンテ・ド・ゴソで泊まるのか?
それは、ゴールへの到着当日、朝11時までにサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼事務所に行って巡礼証明書を発行してもらうと、1時間後の12時からのミサで到着を祝福する意味で、国名と人数を司祭に読み上げて貰えるからだ。
僕と妻、そして4日ほど前から一緒に道を歩いている元美容師のトモ君の3人で相談し、このスケジュールで行こうと決めた。
もう、かつて道をほぼ一緒のペースで歩いていた同期たちはほとんど居ない。
オ・ペドロウソでは韓国人のキムさんとギヨン君に会っただけだ。
いつか自分の持参した海苔を僕らに分けてくれたギヨン君はレストランで晩ご飯中だったにも関わらず、僕らと話すために料理を置いて外に出て来てくれた。優しい男だ。
その会話をそばで聞いていた、黒ひげを長く伸ばした男が、「あんたら日本人か?『東京スカパラダイスオーケストラ』って知ってるか?あれは最高だ。おれ大好きなんだ!」と言った。
僕は礼を言い、どこの国の人か尋ねた。
「俺か?俺は、この店の4軒隣のモンだ(笑)巡礼者じゃない。そして、ここはガリシアだ。スペインじゃない。ガリシア州は、むしろポルトガルと文化が近い。ポルトガル語で『ありがとう』は『オブリガード』って言うんだぜ」と教えてくれた。
いつかサン・セバスチャンで話したバスク人だちのように、彼らはスペイン人であってスペイン人じゃない。地元に非常に誇りを持っている。
明日から更に、ガリシア奥地に向かう。
そこに待ち、世界中から人々を引き寄せるサンティアゴ・デ・コンポステーラ、どんな街なのだろうか。
続く。
本日
アルスーア~オ・ペドロウソ
(ゴールまで18.5㎞)



