Part 4で終わるつもりだったのだが、偶然、下の記事、と言うかその記事についたコメントを目にしてしまったので、書かざるを得なくなった。

 

『ALS患者が「命の選択迫られる課題」…嘱託殺人事件で心痛めたALSと生きる元FC岐阜社長の「第3の選択肢」』

 

FNN プライムオンライン 8/23(日) 18:01配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/aba3be875aeb32221335d43030131827b263e433

 

と言う記事がYahooニュースで配信されていた。

Yahooニュースには、記事に対してコメントが付けられるようになっている。

 

記事自体は、ALS患者のサッカーFC岐阜元社長・恩田聖敬氏のインタビュー記事で、

 

『本件の患者様の生き地獄から解放されたいという思いは心底わかります。しかしながら、生き地獄から解放される手段が「死」しかなかったのか?命を保ちながら彼女の心のケアをする選択肢はなかったのか?そう考えると無念でなりません』

 

と、ありきたり、人畜無害、無味無臭、新鮮味の欠片も無い、マスコミ迎合型の典型的な内容。

 

一方、私が見た時点で166件に上るコメントはほぼ全てが、この記事や恩田聖敬氏に対する批判。

ざっと見た限り全員が「安楽死」自体や、少なくとも議論をすることへの肯定派。

全員と言うことは、即ち同調圧力によって反対意見を投稿し辛い環境、ということが想像に難くないが、同調圧力は通常、多数派の意見に対する同調だから、少なくとも現時点においてこのコメント欄ではこの意見が多数派だという証拠。

しかも、それぞれのコメントは至極真っ当なものばかりだった。

 

少々旧いが、2010年に朝日新聞が行った世論調査(2010年11月4日朝刊)の結果は、下のグラフの通り(「安楽死の法制化賛成」が74%、「自分が安楽死を選ぶ」が70%)であったから、この傾向は今も変わっていないということが証明された。

 

 

看護学生&若手看護師向けの女性メディアである「看護roo!」のアンケートでは、実に1,306人中1,212人(92%)が安楽死に賛成している。

実際に患者を看ている現役の看護師の声はずっしりと重い!

 

ついでに、昭和大学で生物学を学んでいる学生を対象(一部は医学部生)に、「安楽死」、「尊厳死」に対する意識調査の結果も興味深いので、紹介しておく。

 

 

更に、第一生命が40~69歳の男女900名にアンケートを取った、「終末医療に関する意識調査」も興味深いので紹介しておく。

 

 

77%の人が、「多少は死期が早まっても、苦痛など不快症状を和らげることに重点を置いて欲しい」か「苦痛から開放されるために、生命を短縮させて欲しい」と望んでいるのに対して、「出来る限りの手を尽くして、少しでも長生きしたい」と望む人は僅かに10.2%だ。

これが、神経難病患者を対象としたアンケートだったら、どう言う結果になっていただろう。

 

 

話をもとに戻す。

 

前出の記事に対するコメントの主旨は大方、

 

「考え方はそれぞれなのだから、自分の考え方を押し付けるな」

「本人の選択を尊重しろ」

「選択肢を増やせ」

「マスコミが生きることを肯定する記事ばかり流すのはおかしい」

 

に集約されると思う。

 

 

ほんの一部のコメントを抜粋すると、

 

『頑張って生きるのもいい。でもそうじゃない人もいるってこと。』

 

『何が耐え難いのか当人にしか分からないしそれを否定出来る人はいないと思います

「生き地獄を越えて生きる」
あなたはそうすればいいけど他人にそうしろと押し付けるのはよくないですよ
人それぞれ』

 

『頑張って生きたいと言う人も居れば、もう死にたいと言う人も居るのは事実で、この相入れない双方の方達を救済が出来るのは、「安楽死を決めるのは、飽くまでも本人自身で有るとの事を、明確化にした上で、国が法的に安楽死を認めれば良い」、だと思います。』

 

『自由意思に基づいた安楽死の選択は、何人にも否定されるべきものではない。』

 

『まるで安楽死を望んだ人を責めているように感じる
安楽死を選ぶ事は罪なんだろうか
この人の言う「第三の選択肢」
それを押しつけられたところで誤魔化される人がどれだけいるんだろう』

 

『「自分の命をどうするか」という話に何故か他人の意思の話が介入してきて厄介だなと感じる。亡くなった女性が死にたいと望んだ事も、この記事の人が生きたい(死ぬのが怖い、死を考えた事がない)というのも全て個人差』

 

『この病を患った身内を看取った者として、生き地獄を目の当たりにしたと思ってます。
生きる希望?どう見出だせと言うのか?本当に酷です。本人の希望で延命処置はしませんでした。生きてさえくれればと思う家族の勝手なワガママは心にしまい、本人の意思を尊重しました。』

 

『みんなにお別れの言葉をもらい、自分で納得し、心穏やかに苦しまず寝るように死ぬ
それを望んではいけないことなのだろうか』

 

『死を選んだ人を題材にして俺は生きて頑張ってるから俺のほうが偉い、安楽死とか間違ってる!と、自信満々に語ってるだけの上から見下しおじさんでした。
ALS患者でも別々の個人なので、自分の考えが全て的な思考はよくない。』


『本人が最後まで悩んで、苦悩して出した答えなら例えどの様な選択でも、他人が否定する事は出来ないのではないでしょうか?
ましてや命の選択なんて他人から迫られる事では無いんです、どんな選択も最後は自分で選ぶ事が出来るよう周りが理解して助ける事が大切だと思います。』

 

『自分で、もうここまでって思ったときに自分でクローズできればいいが、そうでない状態になっていたとき、他の人を罪に巻き込みたくない

何が何でも生きろとは無責任には言えない』

 

『マスコミが連れてくる人はなぜ反対の人ばかりなのだろうか。
そもそも賛成の人は出たがらないのか、あえて取材しないのか、、』

 

『言論を歪めてまで、議論を封殺したいのはなぜなのか。』

 

『1部の反対する人たちによって、国民の7〜8割の人が望んでいる「穏やかで安らかな死」を選ぶ権利が奪われ続けている事にみんな気づき始めていて、怒りすら感じ始めている。
こういう記事を出せば出すほど、「生」の押し付けにうんざりし、反発心を招き、死にたいと思っている人達が、ますます声を出しづらくなり、似たような事件が起こって逆効果だと思う。』

 

『メディアはひどいですね。生きる希望を持ちこれからも戦う人、早く痛みや色々な辛さから開放されたい人、人それぞれだと思います。どんなに辛くても生きろ、私はそんな無責任なことは言えません。』

 

『メディアはひどいですね。生きる希望を持ちこれからも戦う人、早く痛みや色々な辛さから開放されたい人、人それぞれだと思います。どんなに辛くても生きろ、私はそんな無責任なことは言えません。』

 

切り(限り)が無いので、興味があれば前出の記事の下部にあるコメントに目を通して欲しい。

 

 

政府やメディアは、この声をいつまで無視し続けるのだろうか?