当初、本国で発売されたオリジナル盤を中心に取り上げる予定でありましたが、古い日本盤の邦題が分からないものも多く、ここで方針転換をして、日本盤を中心に(そもそもジェットストリームの《私のレコードアルバム》は日本盤が中心)取り上げていきたいと思います(発売年も日本)。
なお日本盤に収録されなかった曲は「落穂拾い」と題して、随時紹介していきたいと思います。
《アルバム解説》
アルバムのサブタイトルに「世界の詩情」とあるように、詩情豊かな美しいメロディが並ぶ、ポール・モーリア初期の傑作アルバムである。1966年にリリースされたアルバム『Volume 3』に収録されていた「蒼いノクターン(Nocturn)」はここで初めてアルバムに収録された(シングル盤は1965年にリリース済み)。
当時日本でも人気のあったサンレモ音楽祭やユーロヴィジョン・ソング・コンテストといった音楽祭の入賞曲や、アメリカでのヒットナンバーが中心に選曲されている。なおこの年の11月にはP.モーリアの初来日公演が実現し、「来日記念盤」の帯が掛けられていた。
《曲目解説》
1)雨(La Pioggia)
2)瞳はるかに(Lontano Dagli Occhi)
3)リラの季節(Un Jour,Un enfant)
4)戦士の休息(Cent Mile Chansons)
5)モーニア(Monia“Monja”)
6)カトリーヌ(Catherine)
7)蒼いノクターン(Nocturn)
8)輝く星座【アクエリアス】(Aquarius)
9)オー・ハッピー・デイ(Oh Happy Day)
10)スイート・チャリティ(Sweet Charity)
11)小さな願い(I Say A Little Prayer)
12)風のささやき(Windmills Of Your Mind)
13)ゲット・バック(Get Back)
14)グッド・バイ(Good Bye)
1)1969年のサンレモ音楽祭の入賞曲(6位)で、ジリオラ・チンクエッティとフランス・ギャルが披露した。優勝曲はボビー・ソロとイヴァ・ザニッキの歌った「ジンガラ(Zingara)」。
《競演》フランク・プゥルセル/レイモン・ルフェーヴル/カラベリ
2)1969年のサンレモ音楽祭の入賞曲(2位)。コンクールではセルジュ・エンドリゴとメアリー・ホプキンが歌ったが、当初はデミス・ルソスやヴァンゲリスが在籍したギリシャのバンド《アフロディテス・チャイルド》が出場する予定であったという。
3)1969年のユーロヴィジョンでフランス代表のフリーダ・ボッカーラが歌ってグランプリを受賞。詳細は『名曲コレクション』参照。
4)ブリジット・バルドー主演のフランス映画『戦士の休息』(1962年)のテーマ曲(音楽:ミシェル・マーニュ)。これにエディ・マルネが詞を書いて“Cent Mile Chansons”として、F.ボッカーラが歌ってヒットした。
《競演》レイモン・ルフェーヴル/ザンフィル
5)フランスのピーター・ホルムの1968年のヒット曲。
6)1969年のユーロヴィジョンにルクセンブルク代表として出場したロミュアルドが歌った(11位)。作曲はポール・モーリア自身で、日本ではダニエル・ビダルの歌声でヒットした。
《競演》レイモン・ルフェーヴル
7)P.モーリアのオリジナル曲。詳細は『名曲コレクション』参照。
8)ロック・ミュージカル『ヘアー』の主題歌として作曲され、後にフィフス・ディメンションが歌い(“ Let The Sun Shine In”とのメドレー)ヒットした(全米1位/グラミー賞受賞)。なおP.モーリアの「レット・ザ・サンシャイン・イン」はアルバム『裸足のイサドラ』(1970年)に収録されている。
《競演》フランク・プゥルセル/レイ・コニフ・シンガーズ
11)バート・バカラック&ハル・デヴィッドのコンビが1966年に作り、翌年にディオンヌ・ワーウィックが歌いヒット(全米4位)
《競演》バート・バカラック/パーシー・フェイス/レイ・コニフ・シンガーズ
12)スティーヴ・マックィーン主演のアメリカ映画『華麗なる賭け』の主題歌で、作曲はミシェル・ルグラン。映画ではノエル・ハリソンが歌い、アカデミー主題歌賞を受賞(1969年)。“Les Moulins de Mon Coeur”のタイトルでM.ルグラン、ナナ・ムスクーリ等が仏語で歌っている。なおP.モーリアの録音は2種類ある。
《競演》ミシェル・ルグラン/パーシー・フェイス/ヘンリー・マンシーニ/カラベリ/モーリス・ラルカンジュ
*「1st take」
*「2nd take」