《曲目解説》
1969年、スペインのマドリードで開催されたユーロビジョン・ソング・コンテストの優勝曲で、フランス代表として出場したフリーダ・ボッカーラが歌った。作曲はエミール・スターン、作詞はエディ・マーネイ。
F.ボッカーラはフランス語を含む5か国語(独・英・西・伊)でも録音し、ヨーロッパ中で大ヒットした。
ABBA結成前のアグネタ・フォルツコグも“Som jag är”のタイトルでスウェーデン語でカバーしている。
F.ボッカーラは1996年に55歳の若さで他界してしまったが、アンヌ・マリー・ダヴィッド(1973年のユーロヴィジョンで「愛は美わしく」で優勝)、ギリシャ出身のマリオ・フラングリス等によって歌い継がれている。
《競演》
何と言ってもフランス4大オーケストラの競演が楽しい。
フランク・プゥルセルはフリーダ・ボッカーラが参加したユーロヴィジョンにおいてオーケストラの指揮をしていたので、この曲へは相当の思い入れがあるものと思われる。原曲の持つ詩情豊かなメロディを美しいストリングスで聴かせてくれる。
ポール・モーリアの演奏は、当時右腕としてアレンジに参加していたアンドレ・ボルリー時代の録音で、コーラスを加えたアレンジは「蒼いノクターン」のような仕上がりとなっている。
レイモン・ルフェーヴルは低音弦を中心にクラシカルで重厚な響きを聴かせてくれる。
カラベリは中間部でギターソロを加えるなど、原曲の持つリリカルな雰囲気を存分に再現している。
パーシー・フェイスはアルバム『ロミオとジュリエット』に収録し、女性コーラスに全曲英語で歌わせている。
*このアルバムで5か国語の全てを聴くことができます。