僕が、普段、海沿いの田舎町に住み日々を暮らしていることは、この田舎駄ブログにお越しくださる皆様は良くご存知の事と思います。

その恵まれた生活は、一年を通じて何らかの形で海と関わり合いながら過ごす事となります。


ところで、その海との関わりにおいて、とても重要なのが「月の満ち欠け」。

月が新月から十五夜を迎え、また新月となる周期は、日本人が長い間「暦」として活用してきた歴史があります。

そう、いわゆる「旧暦」と呼ばれるカレンダーです。


何故旧暦が海との生活に密接に関わっているのか?


それは、潮の満ち引きが月の引力によって引き起こされているからにほかなりません。

潮の満ち引きは、月が完全に欠けた新月と十五夜に大きくなります。そのタイミングを「大潮」といいます。

初夏の頃、何時にも増して、僕たちは大潮を楽しみいたします。

それは、この時期の大潮は、潮干狩りの絶好のシーズンとなるからです。


さて、先週末もほぼ15日周期、つまり2週間置きにやって来る大潮のタイミングに当たっておりました。

金曜日の夜、帰宅いたしますと、ご近所の方が、潮干狩りに出かけられ我が家にお裾分けが届いておりました。



(獲れたばかりのアサリがいっぱい)

海風に乗せて-田舎サラリーマンの徒然日記-



目の前の海から届いた、ありがたい大自然からの恵みです。

感謝していただかねばなりません。

ところで、この土曜日は、台風並みの大雨と強風に見舞われた伊勢湾沿岸でして、僕も畑にも出る事が出来ずにおりました。

ということで、せっかく出来た時間ですから、久々にこのアサリを使って料理を作ろうと思い立ったのであります。


思い立った料理は、「Acqua pazza(アクアパッツァ)」

イタリアの海沿いで食されるアサリと新鮮な白身魚を使った料理です。


まずは、家から5分ほど隣のスーパーへ出かけました。

こちらのスーパーは、地元の鮮魚仲卸し業者さんが経営しているお店で、そこに並ぶ魚は、地元の魚市場で業者さん自ら競り落としたモノがメインです。

値段の安さは言うに及ばず、なにしろ「新鮮な天然の素材」が手に入ります。



この日、僕が仕入れたのは



(こいつです)

海風に乗せて-田舎サラリーマンの徒然日記-



最も大きくなると「鱸(スズキ)」と名を変える出世魚。

小さいサイズは「セイゴ」と呼ばれます。


(小さいといっても40cm超です)

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目の前の海で獲れたアサリとセイゴを使った「アクアパッツァ知多風」すなわち


「Acqua pazza alla chitano.(アクアパッツァ ・ア・ ラ・チターノ )」


なのであります。



さて、家に帰って、次にする事はP/Cの立ち上げです。

何故に料理にP/Cが必要なのか?

じつは、この料理を知ったのは、このネット社会での良きご縁に恵まれたから。

その料理のレシピを再度確認するためにその方のブログにお邪魔したのであります。
前回は、携帯でブラウズしながら作ったのですが、あれからまる2年近く経過しており、今回携帯からその記事にたどり着くには、何回ページを更新しなければ解りません。

ということで、今回は、P/Cで記事のテキストをプリントアウトするという作戦にしたのであります。


その方とは、僕が敬愛してやまない「魅惑の令夫人」ことそのみ様 、その人であります。

ネット社会の良きご縁に恵まれ、今では、家族全員の大恩人であるそのみ様の記事にアクセスであります。

料理レシピの書かれた記事 を見つけ、



(テキストをコピーしてプリントアウトです)

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さあ、これで準備が整いました。

いよいよ、レシピに沿って料理開始です。



深めのフライパンにオリーブオイルを注ぎ、にニンニクと鷹の爪を入れて、温めます。

前回、しっかりと鷹の爪を馴染ましたことで、流星社長こと我が息子にはちょっと大人の味付けとなってしまいましたので、今回は、早めに鷹の爪を取り出します。


次に、塩コショウで下味をつけたセイゴを並べて焼き目をつけます。


(両面にしっかりしっかり焼き目つけて)

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しっかり焼き目がついたら、オリーブ、ケッパー、細かく刻んだアンチョビをフライパンへ、全体に火が通ったのを見計らい、水を入れます。

本当は、ドライトマトも入れるのですが、田舎のスーパーには、そんな気の利いた物は置いてありませんでした。魚が新鮮ですので、まあ、良しとしましょう。

この料理、本来は、「水だけ」で作るのがトラディショナルなのだそうですが、ここで白ワインを注ぎアルコールを飛ばすのが「魅惑の令夫人流」なのであります。

もちろん僕も「魅惑の令夫人流」を踏襲であります。


(白ワインを欠かさずに)

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このオリーブの実もそのみ様からのプレゼントであります。

以前、「お茶漬け用に」とわざわざお送りくださったのを今日まで勿体無くて使わずに取って置いたのであります。

今回、ありがたく使わせていただくことにいたしました。


さて、後は、水を入れて煮込むだけです。

レードルで魚にスープを掛けてやりながら数分間、4つに切ったミニトマトを適量入れたら、いよいよアサリの投入です。



(アサリの殻を水でよく洗って砂や汚れを落として)

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(フライパンへ投入です)

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あとは、アサリの口が開くのを待って、味を調えて



仕上げにパセリを散らしたら


(Acqua pazza alla chitano.の完成です)

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この料理、どうしても皿に盛り付けようとすると魚が崩れて見映えが悪くなります。

ですので、フライパンのままテーブルの上に。

これもまた「魅惑の令夫人流」であります。


腹ペコの息子が真っ先に手を出します。

そして、「うめぇ~~!」を連発です。

家内もご満悦の表情。


今回、田舎暮らしの特権でアサリのボリュームも満点でしたので、「汁ダク」で作ってみました。

そのスープをスプーンで飲みながら、折角ですので、もう一品つくることにいたしました。



(特製スープ・パスタに舌鼓)

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こうして、僕たちは、初夏の旬の味を存分に満喫したのでありました。

料理を食べながら、「本当の贅沢」を享受できる我が田舎暮らしに心から感謝する僕でありました。




とある海沿いの田舎の休日のひとコマでした。