この週末、また新しい月を迎えました。
三月、弥生の月です。
その、新しい月に入ったばかり日曜日、我が家には、朝も早よから、とんでもなく張り切っているのが約一名。
(こいつです)
「社長(←そのみ様 命名)」こと我が息子であります。
春に一歩一歩近づいていくこの3月は、畑も「新しい季節の準備を始める時」でもあります。
自然の営みは、その折々の季節ごとにちゃんと決まった摂理で成り立っております。
そこには、人間の都合など介在する余地はございません。
ですから、この自然の営みに逆らうことなく、また、それに乗り遅れることなくちゃんと付き合っていかねばなりません。
お祭りの準備と並行して、この季節は、畑仕事も僕には大切な季節の行事なのであります。
ということで、この週末は、「春の準備第一弾」として
春ジャガイモの植え付け
を行うことにしたのであります。
この土曜日、月末恒例の徹夜業務を終えて、午前中に家に帰った僕り、まず、冬野菜の収穫をして、休ませてあった場所を愛機「ハッピーカム号」で下準備としてざっくりと地面を耕してやりました。
僕が、ハッピーカム号を納屋から出しているのを見つけた息子は、「お父さん、今度は何を植えるの?」聞きます。
ですので「ここには、ジャガイモを植えるんだよ」と教えてやりました。
すると、「明日は、僕も手伝うからねっ!」という返事。
最近、体格も良くなり、かなり戦力となってきた息子です。こちらとしては、願ったり叶ったり。
「よろしくねっ!」とお願いしておきました。
土曜日の夜は、集落の子供達とともに祭囃子の稽古の日です。
しっかりと稽古をして、その後引き続き、午前一時過ぎまで祭礼の執行についての打ち合わせを行い、帰宅して寝たのは午前3時を回ったころでしょうか。
いささか、お寝坊をしたかった僕なのですが、そうは問屋がおろしません。
朝8時を回ったところで
早く始めるよ~っ!!
と我が社長によって無理やり布団から引きずり出された僕なのでありました。
しかも、そのテンションの「とばっちり」を受けた人が、もう一人。
(引っ張り出されております)
お母さんもやるんだからねっ!!
社長の一声で、家内も付き合わされる羽目になったのでありました。
まずは、前日に僕が、粗く耕した地面を、もう一度丁寧に起こしていきます。
体格が良くなって力がついては来たものの、まだまだハッピーカム号のパワーをコントロールするには、力不足のようです。
(振り回されて苦戦中)
何とか、コントロールしつつ、どうにか耕してくれました。
最後は、僕にバトンタッチしてムラをなくして仕上げてひとまずオーケー。
続いて、耕したところに「畝(うね)」を作ります。
鍬とスコップを使って、土を盛り上げていきます。
(家内も見よう見真似で参加です)
そして、その畝に種芋を埋める溝を切り、その溝に肥料を施してやります。
(肥料を入れて)
さあ、これで、畑の準備は完了です。
続いて、種芋の準備です。
ジャガイモは、ひとつの芋から幾つも芽が出てきますので、その芽を有効に使わない手はありません。
ですから、芽を残して芋をカットしてあげれば、ひとつの種芋を複数種芋に増やす事が出来ます。
ということで、種芋を半分にカットしてひとつの芋を2つの種芋にしていきます。
(種芋をカットして)
カットした面は、当然ながら、芋の表面がむき出しになります。
その表面は、地中のバクテリアなどによって腐敗してしまう可能性があります。
先人たちは、これを防ぐ為に、表面に「灰」をつけてコーティングしてあげる方法を編み出しました。
その知恵と工夫は、今でも充分有効であります。
(切ったばかりの芋の表面)
(灰をつけて)
(表面をコーティングです)
これで、種芋の準備も完了。
さあ、植え付けです。
先ほどの肥料を施した溝に種芋を並べていきます。
(ひとつづつ並べていきます)
最後に土をかぶせて
(全て終了)
これから、この種芋から芽が出て、そして、葉が茂り、その葉が太陽の光をしっかり浴びて光合成を行い、そうして作られる養分が地中に蓄えられてジャガイモとなります。
その養分を「自然の恵み」として僕たちが受け取る事になります。
その収穫は、春を過ぎて、梅雨に入る頃の事です。
これから数ヶ月先に迎えるであろう「喜びと感謝の日」も第一歩が今日、こうして始まったのです。
その日が来る事を一家で楽しみに待ちたいと思います。
とある海沿いに住む田舎家族の「早春の一日」のヒトコマでした。
*** 追 記 ***
さて、我が家の基本ルールは「成功報酬制」。
これだけお手伝いしてこの二人に「ただ」というわけには参りません。
まず、我が社長へは、晩御飯として彼の大好物である我が「癒し家」さんの「カレイに煮付け定食プラス寒ブリのお造り」
そして、家内へは、最近全国的に有名になってきたという近所の和菓子屋さんが作る絶品の「季節限定いちご大福」といたしました。(これを買いに行きましたらところ、お店には接客待ちの人でごった返しておりました)
「畑仕事もたまにはいいものね」
いちご大福を手に発した家内のひと言でありました。
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