「鬼海カルデラアカホヤ噴火で縄文人が
大陸に大移動して進んだ文化を築いた」
これは、日本人のルーツ系の話で、
常に検索上位を占めている話です。
たとえ発信者が「仮説のひとつです」と添えていたとしても、
同じような話ばかりが検索結果やおすすめに表示されれば、
いつの間にかそれが「確定した真実」へと
すり替わってしまうのではないか――。
と心配になってしまうほど、
検索結果には同じ仮説が並んでいます。。
経済が停滞し閉塞感の続く不安な時代、
ひとは「自分たちの民族が一番」話に
すがりたくなるといいますが、
それは、決して日本だけのものではありません。
韓国には「桓檀古記(カンダンコギ)」という
古代文明はすべて古代韓国人が作ったとする説があり、
トルコではかつて、世界中のすべての言語は
トルコ語から生まれたとする「太陽言語説」が
学校で教えられたりということもあったと言います。
インドにも、兵器やインターネットは、
実は古代インドの時代からすでに存在していた
とするトンデモ仮説があるそうです。
そして、ドイツが敗戦と世界恐慌で
国民が自信を失っていた時代に、
ヒトラーやナチスの「アーリア人至上主義」が
極端な人種政策の思想背景にあったというのは
有名な話で、
当時は「古代文明はすべてアーリア人が始めた」
「チベット人と骨格が似ている」というような
今では信じられないような話を、えらい先生方が
大真面目に語っていたという話も聞きます。
昔は、独裁者が教科書を書き換えたり
メディアを活用して歴史の改ざんに取り組んでいましたが、
現在は、ネットのアルゴリズムの影響で
自分から選んでしまう時代です。
「あれも日本人、これも日本人」
という論調も、ただの「トンデモ説」と
見過ごしてよいものか。
と思ってしまいます。
教科書に対する信頼が揺らいでる中で、
大多数を占めるネットでの情報が、
いつの間にか「真実」になってしまいはしないか?
教科書よりも簡単に、
歴史を操作できてしまう。
いくら学者の先生が否定しても
大衆が信じてしまったら聞いてもらえません。
「イスラム教でもそういう風にして、
ジハードの教えなどが捻じ曲げて解釈されてきた。」
そんな話を聞いたことがあります。
そして、その話と「トンデモ仮説」の構造が
とてもよく似ているところが気になるのです。
そもそも「縄文人は平和だった」と繰り返しながら、
他所の国の文化を見て
「あれも日本人、これも日本人が起源だ」
と言ってしまうことは、
決して平和的な思想ではない。
そんな話を繰り返し何度も聞くことは、
人を民族や人種の上下で判断する思考パターンの
トレーニングになってしまっている可能性すら
あるのです。
歴史は、勝ち負けや優劣ではなくて、
昔の人がそう生きざるを得なかった事情や
苦しみを想像すること。
その辺が、歴史の面白いところで、
これが現実の生活での生き方、在り方に
じつは影響してくるものでもあります。
「需要のないことをテーマにするな」
というのが動画運営の鉄則ではありますが、
私の場合は、需要のあることをテーマにしても、
どうしてもそれと反対の面が気になってしまう。
あまり向いていないのかもしれないと
思いつつ、
それでも歴史の面白さを少しでも伝えたい
世界のつながりの謎を解いていきたい
と思っています。
「アカホヤ噴火の縄文人移動説」という
王道のテーマに、ここがおかしいという
視点で挑みました。
これが動画です。




