OMM ULTRA 20 BLACK EDITION 実物確認 | peeper's blog

OMM ULTRA 20 BLACK EDITION 実物確認

6月に通勤ランをメインの用途として購入したOMM ULTRA 15 BLACK EDITIONですが、想像以上に使い勝手がよかったので、冬を前にして通勤ランの荷物が増えることは確実なので、ULTRA 20も買い足しました。

 

OMM ウルトラ 20 ブラックエディション

 

主な用途は冬の通勤ランですが、実物を見るとオーバーナイトでの使用もできそうな感じで、OMMレースならば間違いなく参加可能で、これは色々と想像が膨らみます。

 

そんなウルトラ20の実物確認をウルトラ15との比較も交えつつ見ていきます。

 

まずはメーカー情報

 

2日間のOMMレースだけでなく、普段のトレーニングや登山用のザックとしても活躍する様々な使い方ができる唯一無二の存在。とくに荷物をコンパクトにまとめられるスキルがある方はこのモデルが最適です。

水を含む全ての宿泊道具の重量がかかることを想定し厚く、硬めに作られたショルダーハーネスとウエストベルトとの加重分散でどこまでも軽やかに走り抜けることができます。

また、左右非対称のユニークなサイドポケットがまるでベストザックのような荷物の取り出しやすさをもたらします。

左側のULTRA8と同じ大きなサイドポケットには濡れた雨具や行動食、ヘッドランプなどをザックを下ろさずに簡単に取り出すことができ右側にはボトルとジッパー付きのウエストポケットでエイドキットやジェルなどを入れておくのに最適です。

さらに拡張性能の高いアクセサリーのLeanWeightMSCやCOMPRESSOR PODとの併用で容量をさらにバランス良く追加することも簡単です。

 

特長

・LeanWeightシャーシ

・ホイッスル付きのチェストストラップ

・軽量メッシュショルダーハーネス

・反射板採用

・フロントポケット

・メッシュのサイドポケット

・フロントと腰ポケットの中にセキュリティキークリップ

・取り外し可能なバックパディング

・互換性のあるハイドレーションポケット

・互換性のあるリンクシステム

・アクティブフィット

 

仕様

・全重量:355g

・LeanWeight:330g

・容量:20L

・バックパディング:9mmEVAパッド

・ポケット : 片側に大きなメッシュポケット /片側にZIPポケット

・背面長 : 45センチメートル

・生地 : 210T / HTTF

・カラー : オレンジ、ブラック 、

 

販売価格

・12,500円(税抜)

 

実際にウルトラ15も使い、その性能を体感した僕としては、このバックパックが12,500円という価格で購入可能なことは非常に驚きです。それはもちろん安ければ良いという様な安易なものではなく、このバックパックがもたらす『背負いやすさ』や『荷物を入れた時の安定感』が入手できる対価としてとても安いということです。

 

デザインが少しダサかったり、ショルダーハーネスにボトルポケットが標準装備されていなかったり、メッシュポケットの強度が弱かったりと、OMMらしさは多くありますが、それらとトレードオフしても十分にメリットを感じ取れるこのバックパックを僕はとても気に入っています。

 

一見何の変哲も無いバックパック、一昔前ならばデイバックという奴でしょうか。ULらしさもトレランらしさも無いクラシック過ぎるこの見た目。この見た目にだまされる人は多いでしょう。

 

下部の三角模様はリフレクトプリントで、このあたりのデザインはウルトラ15とも完全に共通です。

 

背面デザインも変化無くシンプル。特にメッシュなどの通気性のいいテキスタイルが使われていないのも一緒。

 

チェストスロラップは1本。ウエストハーネスはかなりしっかりしたものが付いています。またショルダーハーネスの下の付け根はウエストハーネスとは独立してバックパックに固定されているため、ウエストハーネスを止めなくてもある程度の安定感が得られるようになっています。もちろんこの辺りの造りこみも一緒。

 

メインの荷室は大きな1気室です。背面パッド用のポケットがあり、そこへハイドレーションも入れる事ができます。ダブルジップなので大きく開けることも、小さく開けることも可能で、持ち手はOMM。もちろんこの辺りも一緒。

 

トップポケットはキーストラップ付の薄いもので、あまり大きなものは入りません。造りこみはここもいっしょ。ただし、サイズは少し大きくなっています。」

 

 

そしてこの辺りからウルトラ15と仕様が違う部分です。

左20/右15

 

まずウエストハーネスについているポケットですが、右側がジップポケットになっています。造りこみは一緒ですが、ウルトラ15では左側がジップポケットなので左右が逆になっています。

 

左20/右15

 

そしてウエストハーネスの左側がメッシュポケットになり、このメッシュポケットはウエストハーネスからバックパックのサイドまで繋がった大型のものへと仕様が変わっています。メーカーとしてはここに大型のメッシュポケットを装備することでベスト型パックのように大型の収納が可能になったと考えているようですが、メッシュが緩い上にどうしてもカーブがきつい部分ができてしまうため、荷物をしっかり保持できないように思えます。僕としてはコストダウンのための造りに言い訳を付け足したような印象です。

 

それでは2つの違いを比べてみたいと思います。

 

左20/右15

 

まず、背面長が変わっています。もちろんウルトラ20の方が長いのですが、5Lしか違いがないわりには予想以上に長くなっています。もしかしたら背面長は変えないかもと想像していただけに意外でした。しかし、これはバックパック自体の厚みが増やすと、それだけ後方へ引かれるような感覚も強くなるためへの対策ではないと間がえています。

 

背面長は伸びていますが、基本的な造りに変更は無いようです。それならば背負い心地に大きな変化はないと思いますので、重いものを入れてこそ発揮されるOMMの実力は容量アップしてもスポイルされることはなさそうです。

 

左20/右15

 

とはいえ、背面パッドの長さはこれほど変わっています。

 

左20/右15

 

底の面積も変わっています。ぱっと見では幅には変化がなさそうです。大きくなっているのは奥行き、バックパックの厚みが大きくなっています。当たり前の変化ではありますが、幅が大きくなっていないということはウルトラ15が背負える女性ならばウルトラ20も利用可能となる可能性が高いと言うことです。背面長の変化はありますが、幅が大きく違うとどうしても背負い心地自体が大きく変わってしまいますので。

 

また、ウルトラ15の底面には左右にループが1つずつ追加されています。厚みが増しているので、少ない荷物の時はこれらを使ってコンプレッションすることも可能かと思います。

 

バックパックのジップ部分では大きな変化が2つあります。

 

1つ目は、メインとなる荷室へのアクセスに使うジップからフラップが削除されているということです。これはメリットとデメリットで感じ方は大きく変わると思います。

 

メリットとしてみると、ジッパーの開閉がかなり楽になっています。ウルトラシリーズのフラップはジッパーに噛みやすいことで有名ですが、そのフラップをなくしたことで簡単に開閉できます。荷物の具合がよければ片手でも開閉可能なぐらいで、ウルトラ15ユーザーとしては驚く部分です。

 

デメリットとしては、雨が進入しやすい事が挙げられます。ウルトラシリーズの素材は撥水性がたかくフラップがあることでジッパーからの浸水を軽減していますが、今回の変更で雨が強い時は明らかな浸水ポイントになると思います。また、ジッパーの付いている位置が上から流れ落ちる水の通り道にあるのでその点は完全なデメリットです。

 

このあたりは仕様用途や考え方の違いで大きな差がでる部分ですが個人的にはデザインの締りが無くなったことも踏まえデメリットと感じることが多いです。

 

また、ウルトラ15では簡単なループで終っている部分が、ウルトラ20ではナイロンテープとハトメ付きになっています。

 

 

個人的に大きな変更と考えているのがウエストハーネスのポケット

 

ウルトラ15はバックパックのサイドポケットがそれぞれあり、ウエストハーネスは左はジップポケット(キ―ストラップ付)、右がメッシュポケット(キ―ストラップ付)。

 

ウルトラ20はサイドポケットは右だけでそれもボトルサイズのみ。ウエストハーネスは右がジップポケット(キ―ストラップ付)、左がウエストハーネスからサイドまで伸びている大きなメッシュポケット(キ―ストラップなし)。

 

もともとのウルトラ15のポケットが秀逸だっただけに、今回の変更は非常に残念なものになりました。

 

左の大型ポケットは容量が大きいのにメッシュポケットの締りが悪く、小さいものだと落ちてしまうし、前にかがむと雪崩が起きる。それにウルトラ15でもサイドポケットでウインドウシェルは入ったし、なんならウエストのメッシュポケットでも何とか入ったので、この変化は改悪以外の何者でもない。なぜこんな風にしたのか開発者に問いただしたいぐらい。

 

そしてサイドポケットもウルトラ15のはサイズ、形ともに秀逸だったのに、なぜウルトラ15ではボトルポケットになったのか、ボトル入れるには使いにくいし、小物入れとしては少し深い。

 

ウルトラ15ならサイドポケットにソフトウラスク入れて、更にウインドウシェルも入ったのに、なぜ、使い勝手も容量も悪いほうに変えてしまったのか?

 

この部分が修正されたら買いなおしたいぐらいイマイチです。

 

とはいえ、荷物を入れた時の安定感は非常に高く、この安心感はなかなか他のメーカーで得られるものではありません。しかもファントムシリーズよりフィッティングが簡単。高く面倒だけど軽く非常に安定するファントムシリーズ。安く簡単で高いフィッティングのウルトラシリーズ。このすみ分けはなかなか優れたものです。