公立チャンピオンとセミプロ私立チャンピオンを別々に選べばいいものをと,いつの頃からかいまいましく思うようになった甲子園が佳境に入ってくる頃に,毎年お盆がやってくる。

 

まためぐり来て盛夏 蝉の声せわし の感慨に捉われていたのに,足早に訪れる晩夏に吹く風に一瞬,秋の気配を感じる季節。

 

どうせ73年経っても,敗戦記念日まではテレビも新聞もネットも「戦争オンパレード」だろう・・・

 

例によって例のごとく,敗けてよかっただの,もう何があっても戦争だけはよくないだの,総てが愚かで,狂気が支配する戦争だのという,

 

民間人をけた外れに大虐殺した上で日本に乗り込んできたアメリカが,NHKラジオの「真相はこうだ!」なんどを使って刷り込んだ

「ご主人様の教え」をオウム返しにする,

 

実に醜くくだらない「奴隷の平和礼賛」の嵐が,まるで恥を知らないように(知らないんだが)吹きすさぶんだろう・・・

 

と憂鬱で,大昔に流行った「いつまでたってもバカな私ね~♪」という歌が胸の底でリフレインしていたので,

 

関東から夏季休暇で帰省してきた末っ子と,墓参ついでに昼食に出かけた。

 

鹿児島本線の東市来駅に近い外食に入ろうと駐車場に停めたら,隣に停めようとしているバアサン 訂正! 高齢の御婦人がしきりとこちらを見ている。

 

「あら 知り合いかな?」と思ったが知人センサーは反応しない。

 

息子と家人を先に行かせて最後に車から降りると,どうやら御婦人は運転にあまり慣れていないようで,私をチラ見しながら立ち往生している様子。

 

極右のキリスト教徒としては(そんな奴が日本にいるのだろうか?)一瞥を投げて立ち去ってもよかったのかもしれないが!?

 

情に脆いのが最大の弱点である私としては,つい立ち止まって「大丈夫ですか?」と声をかけてしまった。

 

御婦人はパッと顔を輝かせると「すみません 不器用なものですから」という意味のことを鹿児島弁で言った。

 

「あ,では私が誘導しますから」と言い,車はかなり斜めになっていたが,下手に切り返しを求めると必殺技の「踏み間違い」が一閃するとかなわないと思いつつそのままで駐車してもらった。

 

「本当にありがとうございます」と何度も仰るのを,「いいえ とんでもない」と返して私は店に入った。

 

メニューを選び,窓から国道を見ながら「末っ子も家人も,こういった場に来てまで,父や夫がいつものように,こんな奴隷の平和に甘んじていては日本はいつになったら独立できるかわからんゾ!」なんて悲憤慷慨しては迷惑だろう」と思い,努めて一般的な世間話をしていたのだが,

 

ふと気づくと目の前に件の御婦人が立っていて,手にはブドウを1パック持って微笑んでいるではないか。

 

よほど嬉しかったのだろう,あらためて何度も「本当に助かりました」と繰り返されたので,私もつい立ち上がって「これはかえって恐縮です。ありがたくちょうだいします」と言い,

 

続けて「いや,私はだいたいが・・・」と人生のモットーを説明しようとして慌てて口をつぐんだ。

 

そう,過去に一度だけだが口を滑らせて大失敗したのを思い出したからだ。

 

人を傷つけることは慎まなければならない。

 

思春期に始まる私のモットーとはすなわち,「ブスにも老婆にも優しく!」これである。

 

もちろん,車を運転する際に相手に譲る時なども,ニッコリと微笑んで手を振りつつ内心でこのモットーを呟くことにしている。

 

やはり,美人にはチヤホヤするくせに,ブスや老婆にはかまいつけないでは男として情けない。

 

ちょっと脱線するが,だいたいが年寄り婦女子にはエラく強く出るくせに,文句やクレームをつける時に一人で乗り込む度胸がなく,ゾロゾロと衆を頼むような奴らにロクなのはいないと断言できる。

 

弱者や年少者への いたわりが無い者を心底「軽蔑」した,鹿児島県本来の伝統に反する卑怯な連中だ。

 

残念ながら,私は自分自身の血の源流である鹿児島県で,主として日教組や自治労と対峙する際に,ウンザリするほどそういった醜悪な光景を見せつけられたのだが。

 

閑話休題でございました。

 

御婦人は食事を終えて帰る際にもう一度,嬉しそうに手を振って出て行った。

 

鈍い私は,帰宅して就寝する時になってようやく,あれはひょっとして神や仏があの御婦人に身を変えて,私に神仏に仕える機会をくださったのではないか?

 

政治活動としての社会運動に励むのもいいが,まずはゴミ拾いや草むしり,身近で困っている人へ可能な限り手を差し伸べろという教えではないか と思い当たった。

 

青年でなくなれば,周囲はもう本人のメンツを考えてなかなか直言はしてくれない。腹の中で「どんな自己教育をしてきたんだろう?」と笑うだけだ。

 

変なところで役立つモットーではある。

 

この秋に首相の座を争う植民地総督殿も石破氏も,声を大にして国民に呼びかけられてはいかがか?

 

「ブスにも老婆にも優しい,美しい日本を今度こそ私と作りましょう!」

 

8「

少女剣士による自顕流の稽古

(鹿児島県 霧島市)