平成29年3月18日に姫路市内の更生保護施設を出所,出身地の東北に帰りたいが所持金が無かった25歳の無職男が,
19日午前1時ごろ,姫路市で66歳のタクシー運転手の髪をつかみ毛抜きを突きつけて脅しながら現金を奪おうとしたが,
「アホなことはやめろ」「お金はない。こんなことはしないほうがいい」などと運転手に諭されて青年は素直に従った。
「帰るところがなく,ごはんも食べていない」と言うため,運転手は近くのファミリーレストランで彼に食事をさせ,代金を払ってやって19日午前2時ごろに別れたという。
運転手は通報しなかったが,青年は19日午後2時半ごろに姫路駅南の交番に自首した。運転手は「まだ若いし先の人生がある。改心して生きてほしい」と話した。
と神戸新聞が伝えている。
強盗をしようとした相手を懸命に諭し,親身に話を聞いてやり,あまつさえ食事まで与えて励ました上に警察へ通報もしなかった。
嫌でケチくさくて無念なニュースばかりが溢れる世相に,こういった仏性というか神性というか,気高い慈悲の心を惜しみなく注ぐエピソードにふれると思わず両手が合わさる。
貧しさゆえに心ならずも犯した罪で荒み冷え切った心を,ミリエル司教が与えた高潔な博愛で温められて改心したジャン・バルジャンの物語(ああ無情)は,
人を通して現れる神仏の心といった形で今もなお不滅なんだなあと素直に感じ入った次第。
青年は娑婆に出て落ち着いたらまず,菓子折を持って運転手さんに謝りに行ってほしい。
